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AT-ART20比較試聴_AT-ART9XA_TITAN

AT-ART20

さて、ニュースコーナー久しぶりの投稿です。なかなか時間が取れず滞りがちでした。楽しみにされてる方には申し訳ないですが、業務最優先としておりますので、なにとぞご容赦ください。早速ですが本題に入りましょう。

つい1週間前発売となったAudiotechnicaAT-ART20は同メーカーのフラッグシップMCカートリッジとなるようだ。この間までAR-ART9XIAT-ART9XAがフラッグシップとなっていた。ちなみにAT-ART9XAはシバタ針、空芯型MCカートリッジで、AR-ART9XIはラインコンタクト針、鉄芯型MCカートリッジである。AT-ART20のサイトを見ると、空芯型が得意とする生々しい演奏の表現力を、鉄芯型でも実現させること。これらを命題に、ハイエンドラインナップの名に恥じない、鉄芯型のカートリッジを開発しましたと謳っている。要するにAT-ART20はART9XAとAR-ART9XIの良いとこ取りであることが想像できる。

AT-ART20
AT-ART20

コチラのページでART9XAAR-ART9XIを比較してるが、最終的にAT-ART9XAを推している。AT-ART9XIの力強さ、出力の高いところは捨てがたいと感じたが、高域の抜けの良さが圧倒的だったAT-ART9XAを最終的に導入。ただし、AT-ART9XAはかなり低出力なので、フォノイコライザーの仕様によってはヘッドアンプや昇圧トランスが必要な場合がある。その点AR-ART9XIは出力が高いので、機器を選ばないところはメリットの一つである。そんなAT-ART9XAAT-ART9XIの良いとこを兼ね備えたAT-ART20未開封のものが届いたので早速開封!
AT-ART20
AT-ART20

ピッカピカである^^。本体はアルミでハウジングはなんとチタニウムだそうだ!このピッカピカの箇所がチタニウムなので、今回比較対象としてチョイスしたのがLYRAのTITAN(タイタン)である。出力電圧も同じでチタンボディーというところも被るのでTITANを選んだ、、、わけではなく、AT-ART20のイメージ的にはLYRA TITANのような音を勝手にイメージしたのでチョイスしました。そしてもう一つの比較機はAT-ART9XAである。これは既定路線として外せません。前フラッグシップと現フラッグシップのVSである(価格は大きく異なる)!
titan-at-art20-at-art9xa
titan-at-art20-at-art9xa

美しいラインナップである。今回3種類のMCカートリッジで比較試聴するが、フォノイコライザーはFidelix:LEGGIEROで、ヘッドアンプはFidelix:LIRICOを使用、プリアンプはBenchmark:HPA4を使用。試聴レコードは高橋幸宏:Neuromanticオリジナル盤である。
Neuromantic
Neuromantic

まずAT-ART9XAで聴いてみる。HPA4のヴォリュームは-10で丁度良いレベルだ(他のカートリッジは-17~-14くらい)。いつもの聴き慣れた名作Neuromanticである。美しく伸びの良い高域と中低域の厚みも十分で、幸宏のヴォーカルと緻密なシンセサウンドと重厚なリズム群が作品の良さを際立たせる。音の輪郭も明瞭で低域のキレも良い。音の分離も良くAT-ART9XAは濁りの無い現代的なクリアーなサウンドである。素晴らしい!AT-ART9XA1個あればレコードのリアルタイムリスニングもデジタル化も充分役割を果たしてくれる。ジャンルや気分によってカートリッジを変えることはオーディオの愉しみであり、デジタル化についても各コースに応じて複数のカートリッジからチョイスしてるので、当ラボお勧めのAT-ART9XAは必然的に出番が増える。

続いてTITANで聴いてみる。出力電圧が大きいのでHPA4のヴォリュームは-17まで下げた。レベル合わせて試聴開始。あらま、やはり比較すると見えてくる部分がある。初めに聴いたAT-ART9XAが少し薄っぺらく感じてしまうほどTITANは音が厚い。分厚さに伴い超立体的に音楽が押し寄せ、全帯域の高解像度も相俟って音の空間が広がる広がる!また、AT-ART9XAは濁りが無いと表現したが、TITANはさらに上を行くクリアーさだ。付帯音が少なくなったおかげで音の輪郭がさらに明瞭になる。部屋に置いてあるいくつかの電子機器から何か音が鳴ってるのでは?と振り向くほどに色々な音が飛んでくるイメージだ。月並みだが今まで聞こえなかった音が聴こえるとでもいうか、針溝に刻まれた情報全て拾い上げてる感じがする。

元々Neuromanticは高音質LPなので、TITANを使うことで高音質盤の良い部分を活かしきってる感が半端ない!ついでに加えると、低域の安定感も抜群だ。特にA面一曲目冒頭左右に流れるドラムのフィルインなどは、今までのイメージよりも分厚くみぞおちに響くほど刺激に溢れている。これが本来のNeuromanticの音なのであろう!幸宏のドラマーとしての演奏能力の高さが如実に表れてると感じた。TITAN恐るべし!である。これは何枚もレコードを聴きたくなる楽しさだ。TITANNeuromanticを改めてじっくり聴いてみたが、噂に違わぬ素晴らしいカートリッジである。これ以上褒めてしまうとAT-ART9XAの影が薄くなる恐れがあるが、いえいえ、AT-ART9XAも素晴らしいのですよ。素晴らしいのだが、TITANと比較するとね、そりゃ価格も違うわけだしね。TITANNeuromanticを楽しんだところでいよいよメイン行きますか。AT-ART9XAとの比較で少々尻込みしてしまったが、気を取り直してAT-ART20で聴いてみましょう。

AT-ART20
AT-ART20

新品なので20分ほど慣らし運転で聴いてみた。何となく気持ち悪い感じがする(笑)。音像が斜めで(ゆがんだイメージ)、なんだか位相が狂ってる感じがする。TITANの後なので強烈な違和感だ。一瞬焦ったが徐々にこなれてきて本来の音が出てきた。位相、左右バランス、空間表現などなど、AB面終わるころにはこなれてきたかな。何度も経験してるが新品カートリッジにはよくあることだ。
AT-ART20
AT-ART20

40分の慣らし運転後改めてNeuromanticを聴いてみた。ふむふむ、なるほど、AT-ART9XAAT-ART9XIの良いとこ取りというのが実によくわかる!高域の繊細さや抜けの良さはAT-ART9XA、いやいやそれを超えている!低域や全体の押出はAT-ART9XIのそれであるが、さらに重心が低く安定度が加わったようだ。個人的に左右の広がりを重視するので、この段階でかなりポイントが高い!解像度は申し分なく、音の分離も申し分ない。空間表現もかなりワイドで全体の厚みも充分だ。やはり、私の予想通りTITANに近いイメージだ!TITANでは超立体的と表現したが、AT-ART20も負けないほどの立体感がある。最新のMCカートリッジもここまで来たかとベテランぶった言い回しはさておき、レコードの本来のクリアーさを正確に引き出す表現力は申し分ないので、デジタル化にも最適だと感じた。そしてAT-ART9XAよりも更に洗練された現代的なイメージを持った。

解像度が高く現代的といえば、何となくギラギラした痛々しい音をイメージするが、AT-ART20はそれに当てはまらない。とにかく針溝に刻まれた情報を正確に極限まで引き出し、音楽的響きを伴って聴者に届ける機器として、現代的なハイテクハイファイ技術と、音楽的響きを表現する芸術性も兼ね備えた素晴らしいカートリッジであると感じた。今回AT-ART20にはオルトフォンのヘッドシェルとKS-REMASTAのレギュラーポジション的な(ローエンドモデル)リードワイヤーを使用したが、TITAN同様ヘッドシェルにGENESIS : TYPE-P HEAD SHELL、リードワイヤーにAnalog Relax : AR-LW-DGP1を使うことと、もう少し慣らし運転することで大化けする予感が^^。AT-ART20良いですね!とても気に入りました。

ここまで高橋幸宏の1981年リリースLP:Neuromanticを聴いてきたが、ダンスミュージックはどうだろうか?特にカッティングレベルの高い12インチシングルは針を選ぶ場合がある。レベルが高くアタックが強い箇所で音がダブることがある。特定のレコードに限ったことだが、今回KRAFTWERKTour De France (Remix)を用意した。

Tour De France (Remix)
Tour De France (Remix)

この盤だが、使用する針によっては(MC)メイントラック間奏後のバスドラアタック音がダブるのだ。どの針が該当するかはあえて明言しませんが、AT-ART20はどうだろうか?全く問題ございません!トレース能力も高いので、安心して12インチシングル盤にも使えそうです。ダンスミュージックの表現も申し分ない!アメージングである^^。ワクワク感が止まない(笑)もう少し他の12インチシングルも聴いてみよう!
disco
disco

12インチシングル棚からランダムに2枚チョイスした。左はWorld Premiere:Share The Night、右はAgo:Stop Your Life / For You / Trying Overである。抜群の帯域バランスで申し分ない。AT-ART20はダンス系のデジタル化でも活躍してくれそうだ。その場合TITAN同様高音質特別コース限定となる。

ということで、久しぶりの投稿長くなってしまい、結果的にTITANAT-ART20のレビューになってしまったが、AT-ART9XA含めいずれ劣らぬ高尚なVSいかがでしたか?個人的にハイファイかつワイドレンジな音が好みなので、チョイスする針も偏ってしまうのだが、新たにリリースされたAT-ART20は充実の完成度であることは間違いない。慣らし運転後のレビューもいつか紹介したい。