ノイズ除去:音質劣化


ノイズ除去音質劣化について

音質劣化を最小限に抑える技

「レコードの再生音をいかに高音質でデジタル化するか?」

このテーマを掲げ高音質を追求するうえで避けて通れないのがレコードノイズ除去。レコードらしさ優先、ノイズ除去不要という考え方もありますが、こちらのページではノイズ除去に伴う音質劣化について説明いたします。

ノイズ除去に伴う音質劣化について当ホームページ上で解説しておりますが、お客様からノイズ除去した場合どれだけ音質が悪くなるのか?という質問をいただく機会が増えたので、このページを設置するに至りました。長年色々なソフトで検証し見えてきたこと、具体例を挙げてよりわかりやすく解説しますので興味ある方は是非ご覧ください。

ノイズ除去ソフトの基本事項として押さえておきたいこと

ノイズ除去ソフトは多く存在しますが、レコード特有のプチパチノイズを除去する理屈は同じで、極端にアタックの強い音をノイズと判断し除去するというものがほとんどです。

ノイズを個々に選んで除去する場合は問題ないですが、音楽ファイル全体に対して除去処理する際問題が生じる恐れがあります。

ノイズ除去精度を上げることでドラムやパーカッション、メリハリの効いたカッティングギターなど、アタックの強い音楽ソースの一部がプチパチノイズと共に除去されてしまいす。これが音質劣化となり音楽をつまらなくします。

以下にサンプル音源を用意しました(ちなみにこのページで使用する曲はわたくしが20年前DTMに心酔していた頃作成した曲を短く編集したものです)

※注意※こちらのページではレコードノイズが一定量を超える場合を対象としておりません。ノイズが極端に多いものは除去精度を上げざるを得ないことをご理解いください。


原音に影響なくノイズを除去?

下記の音源をお聴きください

音源1:レコードからのオリジナル音源


 

全体的にチリチリパチパチノイズが出てます。

サンプルとして用意した曲なので、曲の良し悪しはさておき^^、一般的なダンスミュージックで、いわゆるハウス系サウンド。


音源2:ノイズ除去音源(除去精度高め)


 

この音源は音源1全体に対して強めのノイズ除去を行ったもの。

音源1を聴かずにこれを聴いた場合どのような印象を受けるでしょうか?もしかするとそれほど違和感なく聴けるかもしれませんが、音楽に精通した方や音質にこだわる方、またダンスミュージック、いわゆるテクノやハウスミュージックを好む方々が聴いた場合、何んとなく音がこもって音の輪郭がぼやけてるのでは?という印象を受けるのではないでしょうか。

しかし音源1を聴いた後では音質劣化が一聴瞭然。バスドラムやリムショットなどアタックの強い音が丸くなって音の輪郭がぼやけていることがわかります。曲本来の抑揚が失われ曲全体の雰囲気まで変わってしまいます。除去前、後で比較すると差が歴然ということがわかります。逆にそれほどアタックの強くないシンセやオルガンなど音質劣化はあまり感じません。


音源3:音源2で除去したノイズのみ抜き出した音源


 

音源2で除去されたノイズ音のみ抜き出した音源です。

プチパチレコードノイズはもちろんのことアタックの強いリズム系音楽ソースも大きく除去されてることがわかります。これだけの音が除去されてしまうと音楽の雰囲気が変わってしまうことがご理解いただけると思います。


これがいわゆるノイズ除去に伴う音質劣化です


ノイズ除去前、ノイズ除去後の効果を紹介してる動画やサンプル音源を見かけますが、ダンスやロック系など、リズムメインの曲を使ってるものは皆無。アタックの強いバスドラやリズム音が絡んでくる曲のノイズ除去がいかに難しいかを物語っております

原音を損ねることなくノイズを除去!を信用する前に、、、ダンスミュージック、ポップス、ロックなどなど、ドラム演奏やリズムが絡む曲のノイズ除去は特別な方法を用いないと音楽の持つエネルギーを損なってしまう恐れがあるので注意が必要です。

当ラボでは、レコードノイズを極力抑えるため1枚1枚丁寧にレコード洗浄から始めます。録音ソースに対してノイズ除去を行いますが、リズムメインの曲については特別な方法でノイズ除去します。除去に伴う音質劣化を最小限に抑えるよう工夫してノイズ除去ソフトを利用します。以下の音源はノイズ除去精度を低めに設定したもの、独自の方法で除去したもの、特別な方法で除去したものを順にご紹介します。


音源4:ノイズ除去音源(除去精度低め)


 

この音源は音源1に対して弱めのノイズ除去を全体に行ったもの。

音源2よりも音の輪郭が明瞭になりましたが音源1と比べるとまだまだです(しかしこのくらいであれば全然問題ないという方もいらっしゃいます)。

この音源もノイズ除去に伴う音質劣化は否めません


音源5:音源4で除去したノイズのみ抜き出した音源


 

音源4で除去されたノイズ音のみ抜き出した音源です。

音源4音源2よりも音の輪郭が明瞭になり音質が良くなった感じがしましたが、除去音源のみ聴くとまだまだリズム系の音が大きく除去されてることがわかります。

やはりノイズ除去と共に原音が損なわれております


音源6:小節単位ノイズ除去と独自処理併用


 

全体処理は行わず、音の構成から小節単位、グループ単位で除去精度を変化させながら処理しました。

ここまでくると音源1と比較しない限り音質劣化はわかりません。比較しなければ全く問題ないレベルだと思います(製作者当人談)。
(設定が複雑なのでノイズ除去音の紹介はできません)

曲の構成を考慮したうえでノイズ処理を行えば原音への影響を最小限に抑えることができます


音源7:特別な方法でノイズ処理


 

当ラボの高音質特別コース同様のピンポイントノイズ処理で除去。リズム音に影響なく除去しております。
(設定が複雑なのでノイズ除去音の紹介はできません)


緻密な処理により原音への影響を極限まで抑えます。


総括

ノイズ除去に伴う音質劣化について、主にリズム主体のサウンドに対して顕著に表れるということをご理解いただけたと思います。何も考えず曲全体またはLP収録曲全体を一括処理することでノイズは簡単に除去できます。しかしアタックの強いパーカッシブなリズムやドラム音が絡んでくるとその箇所の音質劣化は想像以上です。

当ラボではノイズ除去に伴う音質劣化を最小限に抑えるため各音楽ソースに適切な処理を行い、高品質な音源を提供できるよう取り組んでおります。


最後に

レコードのCD化またはデジタル化を業者に依頼された経験のある方で、出来上がった音源を聴いて、おや?こんな音だったかな?こんな音悪かったかな?と思うことはございませんか?

レコードプレーヤーがない、CDが出てないものは比較する術がないので確認のしようがございません。音質について業者に尋ねようにもうまく伝えられずまあこんなもんかと諦めてしまった経験はございませんか?

そのほとんどがノイズ除去による音質劣化で原音が損なわれてることが原因と思われます(ノイズが多く残ってるのは論外)。ノイズ除去前の原音と比較するのが一番わかりやすいですが、それもかなわず泣き寝入りという方もいらっしゃいます。

当ラボでは納品後の音源に対し音圧や音質の調整、修正等ご要望ございましたらできる範囲で対応させていただきます。

ご依頼時、または納品後、ノイズ除去前の原音データを希望される場合はご相談ください。
(一部オプション料金を申し受ける場合がございます)

こちらも柔軟に対応させていただきます。