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AT-ART9XAとAT-ART9XIの比較

Audio Technica

さて、このページも久しぶりの更新です。日々の業務最優先としておりますが、ニュースコーナー掲載予定案件もたまってきてますので、順次公開して参ります。まとまった時間が取り辛い状況なので、シンプルかつ短めの内容となりますが、興味ある方は是非ご覧ください。

Audio Technica_AT-ART9XA_AT-ART9XI
Audio Technica_AT-ART9XA_AT-ART9XI

今回はAudio TechnicaのMCカートリッジAT-ART9XAとAT-ART9XIを比較してみました。既にAT-ART9XAは所有しており、当ラボで大活躍しておりますが、以前から気になっていたAT-ART9XIも聴いてみたくて、新品を下すにあたり懇意ショップ様にお願いして2モデルをお借りすることにしました。いずれもAudio Technicaのフラッグシップモデルである。AT-ART9XAはシバタ針採用で0.2mV出力、AT-ART9XIがラインコンタクト針採用の0.5mV出力、針の種類と出力以外はほぼ同じスペックで、価格も同じである。

Raise!
Raise!

今回Earth Wind & Fireの1981年アルバムRaise!のマスターサウンド盤2種類を聴いてみた。このレコードの音質比較も面白い結果が出たので、いずれ紹介します。

AT-ART9XI
AT-ART9XI

まずは、以前から気になっていたAT-ART9XIで聴いてみよう。さすが安定のAudio Technicaと納得の高音質だ。全帯域惜しみなく出ており、かなりアグレッシブに聴かせてくれます。大好きなEarthLet’s Grooveが躍動する!特に中低域の厚みが素晴らしい。シンセベースのメリハリと、ヴォコーダーヴォイスのエッジの効いたキレッキレサウンドが気持ちよいです。2曲目Lady Sunのオープニングのブラスサウンドも歯切れよく鮮烈な印象だ。私の好みが80’sダンス系サウンドなので、比較試聴の基準が少々偏りがちですが、やはり慣れ親しんだ音で比較するのが一番わかりやすいということで、AT-ART9XIはダンス系はもちろんのこと、ロック、ポップスと幅広く使えるモデルとしてお勧めできる。MCカートリッジは出力が低い印象だが、AT-ART9XIは高出力なので、フォノイコライザーを選ばないところがいいかもしれない。日本製なので、安心して使えるところも良い。

AT-ART9XA
AT-ART9XA

続いてAT-ART9XAで聴いてみる。以前から所有していたが、AT-ART9XIと直接比較することでどのような違いが出るのか、大変興味深いところです。(余談:実は発売当時比較試聴したことがあるが、時間が無くまともに比較ができなかった)。AT-ART9XIと比較してもかなり出力が低いが、プリアンプの音量を上げれば問題ない。ちなみに音量上げてもレコードに針を置いた時点のノイズ量はAT-ART9XIと変わりません。さて、音量合わせてLet’s Groove聴いてみよ!ああああ、やっぱりAT-ART9XAが良い(笑)。いきなり雑な表現で申し訳ないが、比較してしまうとわかってしまう高域の伸び!うるおいたっぷりの高域!AT-ART9XIでは感じられなかった高域の気持ちよさがAT-ART9XAにはある。力強さはAT-ART9XIに軍配が上がるが、AT-ART9XAだって負けてないな!音の厚みも十分だし低域の量感も申し分ない。いわゆる高解像度MCカートリッジである!若かりし頃、新品レコードに針を落としフレッシュなレコードの音を聴くのが楽しみだった。なんというか、エッジが効いてるんですよね^^。AT-ART9XAってそんな感じがするんです。そうそう!フレッシュなんです!2曲目のLady Sunなんかもう最高である!今は冬なのにコレ聴く分には夏真っ盛りである!もうレビューから脱線しております(笑)。話を元に戻そう。解像度が高いと、ドラムの音がタイトになりすぎて、低域の量感が薄れてしまうMC針もあるが、AT-ART9XAは全くそんなことを感じさせない鳴りっぷりだ!出てくる音は繊細でありながらパワフルでキレがいい!独特な癖もない!おそらくこの価格帯ではナンバーワンの表現力であろうと予測する。もちろん私が今まで聴いたMC針の中でである。ただし、出力電圧が低いので、フォノイコライザーだけでは望む音量に届かない場合があるので、システムによってはMCトランスやヘッドアンプが必要になる場合がある。

Audio Technica
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Eminent GL & AT-ART9XA
Eminent GL & AT-ART9XA

Eminent GL & AT-ART9XA
Eminent GL & AT-ART9XA

ということで、AT-ART9XI導入は見送り、お気に入りAT-ART9XAの新品を下すことにした。ついでにリードワイヤーをアナログリラックス製品に変更した。更なる高音質が享受できるようになった。上記画像はMysonic LabのEminent GLからAT-ART9XAに移設のアナログリラックス大吟醸プレミアムリードワイヤーである。

一方的なAT-ART9XAの高評価となったが、はっきりしてることは、私の好みであるということです。表現が適切かわからないが、AT-ART9XIはよりアナログっぽく、AT-ART9XAは現代風といったところでしょうか。もしAT-ART9XIAT-ART9XA2つ所有することができるなら、前者でハードロックやヘビーメタル、ロックなど聴いて、後者はダンス系やポップスを聴く。他のジャンルや静かなものを聴いたなら、また違ったレビューになったかもしれない。現在多忙極めており限られた時間の中、個人的嗜好の濃いレビューとなったが、いかがだったでしょうか?現在のレコードブーム、できる限り良い音でレコードを楽しむ場合、MCカートリッジの選択は良いと思います。カートリッジ選択の参考になれば幸いです。AT33SAというMCカートリッジも大変すばらしい製品です。当ラボで活躍中です^^。