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AT33saの個体差について:追記含む

33sa wave Comparison

さて、オーディオテクニカMCカートリッジAT33sa、新品と既存使用中品の比較について前回ニュースコーナーで触れましたが、耳で確認できるレベルの個体差(音量差)があったことを伝えました。今回実験結果を簡単に紹介したいと思います。

blue monday 再発12インチシングル
blue monday 再発12インチシングル

2つのAT33sa、既存使用中品(以下33old)、新品(以下33new)で、同じレコードを録音し波形を確認するのが目的だが、カートリッジ以外条件は同じとした。使用するレコードは1983年リリースのNew Order / Blue Mondayだ。淡々とした打ち込みビートなので、波形もわかりやすいものとなる。ちなみに、オフィシャルよりリマスター再発盤が2020年にリリースされており今回それを使用した。早速録音してみた。

33sa wave Comparison
33sa wave Comparison

画像の上段が33oldで下段が33newである。目視で明らかにレベル差が確認できる(わかりやすいように、取り込む際のレベルは高めにしている)。LRバランスは試聴段階で33newのLチャンネルが微妙に低いと感じたが、数枚レコードを聴いたおかげでLRバランスはこなれてきたようで、波形で見ても問題ない範囲に落ち着いた。しかし、試聴段階の音量差は改善することなく波形を見て間違いないことが確認できた。Blue Mondayという曲は、頭から淡々とバスドラムが鳴り響くのだが、2小節までの音量を比較すると、33newが1.2dbほど小さい。1.2dbの差は大きい!って、ややこしい、、、。

33oldは-10dbで33newは-11.2dbと表示されている。数値からもわかるようにかなり出力レベルに差がある。AT33saのカタログスペック出力電圧は0.4mvとなっているが、1.2dbの音量差が出力電圧では何mvの差かはわからないが、この差は個体差の範疇なのか否かわからないので、月曜日メーカーに問い合わせてみる。個体差の範疇を超えてるのであればどのような対応になるか、購入してから2年ほど経ってる物なので保証外となり、有償修理となることが予測できる。とほほ。この件については追記で報告したい。

33sa-波形重ね
33sa-波形重ね

重ねた波形画像も用意した。上段の濃い波形部が33newで上下に薄くはみ出てるのが33old波形である。DAWソフト上で、33newの音量を1.2db持ち上げれば全く同じ音で再生される。驚くのは2年ほど使用してる33oldの劣化が全く感じられないことだ。丁寧なレコード洗浄とまめな針ケアのたまものである。大事に使えば半永久的に使えるのではないかと思うくらい33oldと33newの音質差はない。よって今回の個体差は音量差のみということになる。

あとは1.2dbの音量差が不良品対象となるか否か大変興味深い!不良品だったとしても前述の通り保証期間切れ有償修理となるのだが、個人的には録音レベルを少し上げれば問題ないので、個体差として返品交換や修理対象になりませんという回答を望んでいる。要は、不良品ではないという確約が欲しいところだ。

2021年11月16日追記
オーディオテクニカより検証結果連絡ありました。
弊社の測定設備で検査しましたところ、左右とも出力電圧規格を満たしていました。また、その他特性にも異常はございませんでした。
これに対して、出力電圧レベルが規格内で、規格内でもばらつきがあり、それに伴う1.2db程度の音量差は、異常なしの範疇という理解でよろしいでしょうか?と尋ねたところ、個体差の範疇ということで回答いただきました。1.2db~1.5dbのレベル差はそこそこあるように感じますが、メーカー側の基準では問題ないそうです。これで安心して新しいAT33sa使えますね^^。って、音量が低いと音量を上げるわけで、それに伴いノイズフロアもにわかに上がると思うんだけど。。。。まあ、個体差の範疇ということで納得するしかないですね。以上