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USBケーブル比較試聴リターン(2022年)前半

USB CABLE ALL

久しぶりのニュースコーナー早速進めて参りましょう。

昨年2021年5月から6月にかけUSBケーブル導入に伴う比較試聴を行い前半後半に分けてレビュー、最終的にCross Pointの最新モデルXP-DIC/USB EN SEを導入した。導入経緯はリンク先レビューを参照していただきつつ、第二候補のJorma Design : JORMA USB REFERENCEへの想いも併せて読んでいただきたい。

そして今年の7月Cross PointXP-DIC/USB EN SEが(以下Cross Oldとする)、XP-DIC/USB SELに(以下Cross Newとする)ヴァージョンアップするとの連絡を受けデモ機を手配いただいた。気に入ればヴァージョンアップするとし、気に入らなければ別の選択肢、そう、忘れられないJORMA USB REFERENCE(以下JORMA USBとする)、あるいは最近知ったShunyata Research OMEGAを(以下OMEGA)導入することを前提に、JORMA USBOMEGAのデモ機も追加で手配いただいた。導入といってもCross Oldを下取していただくことが条件である。さすがに新規で追加購入は厳しい(汗)。

さて、(日頃の行いが良いおかげで)数日後すべてのデモ機が当ラボに揃った!幸運である。まずCross Newが先に届き2日遅れでJORMA USB、さらに2日遅れてOMEGAが届いた。あくまでもメインはCross Newだが、某サイトの秀逸なレビューを読んでからというもの、OMEGAが気になって気になって(笑)。ちなみに某サイトのレビューは主催者(Pさん)の主観であるものの、その巧みな語彙で製品を魅了し読む者を引き込むハイセンスなレビュー構成は正に芸術。そんなPさんのレビューではJORMA USBの評価が大変高く、私も実際使用してみてたがレビュー通りの素晴らしい製品であった。JORMA USBレビュー後新たにOMEGAのレビューが投下され、JORMA USBをも上回る高評価であった。となればOMEGAは高音質であること請け合いである!なので、もはやOMEGAがメインといっても過言ではない。完全にPさんのレビューに感化されてる状態だ(笑)。一旦気持ちをリセットし先入観抜きで比較試聴を行いたいと思う。このコーナーでは私の主観レビューとなることをご了承ください。

ちなみに、前回レビュー時の機材と現状の機材が一部異なる。メインスピーカー、マスタークロックジェネレーター、ブレーカーが主な変更点。いずれの変更も音質底上げ貢献度は絶大だ。(現状が最高の状態で)より充実した環境下の比較試聴となるので、各USBケーブルの違いが明確に表れるか?あるいはどのケーブルも基本性能が優れてるので違いは僅かなのか?

Adam S5V
Adam S5V
MUTEC 10Mhz REF10 SE120
MUTEC 10Mhz REF10 SE120

まず先に届いたCross Newと既存のCross Oldから比較してみようと思うが、その前にCross Point製品のヴァージョンアップ時のルールについて記しておこう。基本的にファーストオーナー、またはメーカー、ディーラーでB級品・USED品を購入したユーザーに限り、購入金額との差額+アルファで手に入れることができる(旧製品返却が条件)。+アルファの部分は新製品リリース時から経過した期間で変動する模様。今回Cross New購入条件も同様だ。


以前Cross Pointインターコネクト(RCA)ヴァージョンアップのチャンスがあったが、デモ試聴の結果旧製品の方が好みだったので見送った過去があった。

Cross Point Rca Cable
Cross Point Rca Cable

インターコネクトヴァージョンアップに至らなかったのでレビューしなかったが、良い機会なので簡単にレビューします。

Old RcaからNew Rcaに切り替えると、音の広がりが狭くなり音像も歪んでしまった。比較する際の基準を言葉で表現するのは難しいが、私の場合目の前に広がる音像に重きを置く。左右スピーカーの間からスピーカーの外側にかけて大きく広がる幅広の長方形に近い台形が私の理想である。底辺は床面に広がり上辺はスピーカー上面少し上あたりに位置しこれも左右に大きく伸びるイメージ。

スピーカー間に機材を積み上げると音像が崩れるので、なるべく機材は低く配置している。Old Rcaはイメージ通りの音像だが、New Rcaにすると上下左右の幅が狭くなり左右いずれかに傾いていびつな音像となってしまうのだ。複数の曲で試したがいずれも結果は同じで、New Rcaでは落ち着いて音楽が楽しめない。位相が狂うと気持ち悪いというがそれに近いイメージ。期待が高かった故に少々がっかりしたが、後に改良版を送っていただき大きく改善したが最終的に購入に至らなかった。このような経緯がありヴァージョンアップ製品の試聴は重要と捉え、今回も時間の許す限りデモ試聴を行った。


今回のUSBケーブル比較試聴はCD音源、録音音源メインで行った。

Cross Point : XP-DIC/USB EN SE
Cross Point : XP-DIC/USB EN SE
Cross Point : XP-DIC/USB SEL
Cross Point : XP-DIC/USB SEL

上がCross Oldで下がCross Newである。ケーブルの太さが大きな違いだ。音質の違いは果たして?まずCross OldでCDを聴いてみる。

THE NIGHT FLY
THE NIGHT FLY

聴き慣れたサウンドが目の前に展開する。昨年吟味して導入決意しただけのことはある。非常にクリアで申し分ない帯域バランスかつストレートな骨太サウンドが楽しめる。目の前に広がる音像バランスや左右の広がりもワイドで私好みである。


続いてCross Newで聴いてみる。およよ、ファーストインプレッションが重要だが、特に大きな差は感じられない。しいて言えば少し大人しくなったか?Cross Oldの印象はコチラを読んでいただくとし、簡単に言えば音楽ソースをありのまま脚色なくストレートに表現!一言で言えば実質剛健というイメージなのだが、Cross Newはにわかに質感がマイルドになった印象を受けた。元ソースの情報を正しく引き出す印象は変わらないが、何となく上品になったというかトーンが控え目になったというか、、、、オーディオ製品はハイエンドに向かうほど品が良くなるというそれに近い感覚?脚色感とも違うし情報が少なくなったわけでもない。やはりCross Oldと比べてマイルドになった印象が強い。この時点で私の触手は伸びない。。。。

メーカー主催者曰くエージングは不要とのことだが、10時間ほどCDかけっぱで翌日仕切り直した。ん?印象は大きく変わらない。不適切な表現かもしれないが、、、やはりハイエンド方向の品の良さにひよったか?MCカートリッジで例えると、私のイチオシメーカーLYRA製品もハイグレード製品になるにつれ品が良くなる。下位グレードDELOSとハイグレードETNAではかなり音の傾向が違う。個人的にはDELOSの暴れっぷりは好みであり、ETNAの上品かつ丁寧な音も嫌いではないが、ことダンスミュージック好きな私にとってはDELOSの方が愛着がある(笑)。レコードのデジタル化に重きを置く場合、CD音源の比較はあまり参考にならず大きな違いは感じられなかった。少なくともコチラに記載された印象は感じられなかった。気を取り直してレコードのデジタル化(24bit / 96kHzハイレゾ)を試みることにした。


Technopolis
Technopolis

Cross OldCross Newで録音したファイルをDAWソフト上に配置し、リアルタイムで切り替え比較した(ハイレゾ再生時のUSBケーブルはCross Old)。この段階で違いが明確になった。特に大きな違いを感じたのはベースの表現である。当ラボではAdamSub 12を使用しているが、Cross Oldの低域の暴れ具合がCross Newでは抑えられ、低域の付帯音が取り除かれている。これに伴い各帯域の滲みが解消され鮮明さを感じ取ることができた。Cross Old、Cross New共に基本性能は申し分ないので、CD再生ではわずかな違いを感じ取ることが難しかったが、レコードのデジタル音源ではその違いを感じ取ることができた。にわかに触手が伸びてきた!別の曲も試してみよう。

Active Force
Active Force

A面1曲目を録音し同様に比較したが、音数が少ないのでより違いは明確に表れた。Cross Oldは少々暴れ気味でアグレッシブに展開する印象。Cross Newは低域の暴れた感じは抑え気味で各帯域が明瞭に表現される。この曲のヴォーカルはにわかにメタリックフランジャーがかってるのだが、Cross Oldは少々うるさくCross Newではすっきり聴こえる。Cross Newはなかなか良い整いっぷりである。この時点でCross Newへのヴァージョンアップは意義あるものと心が揺れ始める。

ただし、Cross Newで聴いたデジタル音源についても、(先述した)ユーザー様のレビューのような印象は感じ取ることはできなかった。心は揺れてるがCross Oldの暴れっぷりも嫌いではない。Cross Point主催者ブログの堂々たる自信にCross Newへの期待は高かったのだが、劇的な変化を感じ取ることはできなかった。Cross OldよりCross Newが音が整う方向性は好意的に受け止めるが、私が思うCRoss Pointの実質剛健イメージが薄れたようにも感じた。素晴らしい製品だが大きく心を動かされることはなかった。、、、んー、どうしたCross point。。。。


昨年とは大きく異なるリスニング環境下、USBケーブル変更による音質の違いがどう出るか興味深かったが、CD再生よりも録音音源で差が如実に表れることが分かった。これ以降レコードの録音音源比較に絞って比較試聴進めて参ります。


後半へ続くその前に、私のレコードの聴き方を簡単に紹介します。レコード再生といえばフォノイコライザー→アンプ→スピーカーの流れでアナログソースを楽しむのが一般的。私の場合フォノイコライザー→アンプ→AD/DAコンバータ→スピーカーで楽しんでいる。AD/DAでデジタル変換→アナログ変換された音を聴いている。当ラボではこの接続が一番高音質で楽しめる。生粋のアナログユーザーからは邪道だと揶揄されそうだが、私の場合これが良いんです^^。AMARIを介した音が良いんです。

しかし、今回USBケーブル比較試聴で新たなルーティングも楽しめることを発見した。フォノイコライザー→アンプ→AD/DAコンバータパソコンAD/DAコンバータ→スピーカーズバリこの接続である。後段のパソコンとAD/DAコンバータをつなぐUSBケーブルが重要。パソコン上のソフトを録音状態にし(もちろん24bit / 192kHzである)、AMARIでAD(アナログ→デジタル変換)された音がUSBケーブル介し、録音ソフトを経由しさらにUSBケーブル介しAMARIに戻りDA(デジタル→アナログ変換)された音の方が整うんです。USBケーブルの基本性能が高いこと前提だが、今回の試聴でこのような方法で新たな質感を楽しめることも発見できた。これはスピーカー、マスタークロックジェネレーター、ブレーカーの変更に伴う音質底上げが大きく関係してるのだろう。AMARIのコントロールパネルはリアルタイムでソース変更が可能なので、後半レビューではUSBケーブル介したレコード再生音と介さない再生音の比較も行ってみようと思う。

後半へ続く