引き延ばしてきたUSBケーブルの比較試聴レビュー、早速進めていきます。シンプルにわかりやすくを心がけます^^。
さて、USBケーブルを変えると音が変わる説、今となっては当たり前のことになってますが、私がレコードのデジタル化に取り組んだ頃、実はそれほど気にしていなかった。USBケーブルはデジタルデータを転送するだけで、音質や音色を変えることは無いんじゃないの?もし変わるのだったらPCと接続する機器、例えばプリンターのUSBケーブル変えれば出力された印刷物の色が変わるんかい?HDDのデータをPCで再生する時、PCとHDDをつなぐケーブル、PCとDACをつなぐケーブル、それぞれ変えるとものすごく変化するんかい?などなど浅い考察をしておりました。
上記を深く考察し、USBのデータ転送について解説することは本ページの趣旨と異なるので、USB転送については良書に譲るとし、ここではUSBケーブルを変えると音が変わること前提で進めたいと思います。
上記画像の6種類のケーブルを比較試聴した。上段左:AMARI付属ノーマルUSBケーブル、上段右:AIM SHIELDIO UA3、中段左:Orpheus Khloe USB2.0、中段右:Nordost Valhalla2 USB2.0、下段左:Jorma USB reference、下段右:CROSS POINT NEW XP-DIC/USB EN SE
今までAIM SHIELDIO UA3(以下AIM)を使用してきた。ネット情報とオーディオショップの意見を総合判断し導入したので、自宅デモ試聴は行わなかった。せめてノーマルUSBケーブルと(この当時のAD/DAコンバータはeclipse384)、AIMの比較をしていればもう少し早くUSBケーブルのデモ試聴に着手していたと思うが、結果的に今のタイミングで試聴できてよかったと思うことになる。この点については後述(次回後半)します。では早速!とその前に、どのように比較したのか解説しておこう。
今回の比較も通常通り、リファレンス曲を(レコードより)同じ録音レベルで各USBケーブルを使用してPCに録音。各録音ファイルの音質の違いを確認。次にリファレンスCD音源1曲をリッピング、PC再生、USBケーブル変更による音質の違いを確認。前者の場合録音ファイルをPCで再生する際、使うUSBケーブルで音が変化し、若干話がややこしくなるので、今回は後者のリッピング音源を基準に、各USBケーブルの音の傾向や違いを探ります。
AIMである。いまや定番の高音質USBケーブルと専らの評判である。予め温めておいた機器から流れるサウンドはいつもの聴き慣れたものだ。この音は私の基準となる音。毎度思うが、音を言葉で表す難しさ。明らかな力量不足を毎回痛感してるので、いつもの拙い感想を交えながら、今回は少し違ったアプローチの表現も加えてみた^^。
例えば目の前に大きな写真がる。ある有名観光地の風景を映したもので、誰もが一度は見た写真としよう。観光アピール用の写真としては十分なもので、自然の景色や建物などとても色鮮やかである。USBケーブルを私の目とした場合、音楽ソースが風景写真。私の目にはどのように映ったか。まずはAIMで写真を見てみよう。はいはい、いつもの風景である。過去に比較経験がないのでこれが基準となる。
AMARI付属ノーマルUSBケーブル(以下ノーマル)に変更してみる。ある意味これが一番衝撃かも(笑)。各楽器の重なりがうやむやで、それぞれ響き合ってうるさく感じる!時折音像の一部にもやがかかったような違和感があったり、音の輪郭がぼやけたり、、、これは酷い。
ノーマルUSBケーブルで写真を見てみよう。AIMで見た時とはずいぶん印象が違う。鮮やかさは大きく変わらないが、景色や建物の輪郭がぼやけ、写真全体がにじんでいる。一部色が薄くなってる箇所も有ったり、まるで経年劣化で少し傷んでる写真に見える。この時点でAIMの良さを再認識する。AIMが安心して使える製品と思う反面、AMARI付属USBケーブルに衝撃を受けた。AMARIはUSB 3.1を標準としており、USB 3.1ケーブルを使用した上のサポートは受けるが、それ以外のUSBケーブルを使用した場合のサポートは受けないという。。。2.0でも十分動くのだが動作保証はできないと謳っている。。。。AMARI導入当初色々不具合が発生しサポートと何度もやり取りしたが、USB3.1準拠のケーブルを使った上で相談して来いとめちゃ強気。それ以外はサポートしないことを強調。その経緯があった上で言わせてもらうが、AMARI標準装備のUSBケーブル音悪すぎやろ!ここまで音が悪くなるケーブルって。。。。もう少し良いものを標準装備するべきと思うが、AMARIに限らず他のデジタル機器も標準USBケーブルはこんな感じなんでしょう。少しでも良い音を求めるなら、標準USBケーブルは使わないほうが良い。
Orpheus Khloe USB2.0(以下Orpheus)に変更してみる。USBケーブルも進化したものだ!って、今まで比較したことがなかった私うのもなんですが、ラインケーブル変えるよりも変化がわかりやすいかも。音が明るくなったね。もちろんAIMと比較してである。あたたた。これは驚いた。AIMからノーマルに変更した時の変化は衝撃だったが、Orpheusも衝撃だ。好きな音だなー。どちらかというと明るくて派手な音が好きなので、AIMと比べてOrpheusの方が好みの音である。明るいだけではなく楽器の重なりがにわかにわかりやすくなった。音のレイヤーの見通しが良くなったように思う。
Orpheus USBケーブルで写真を見てみよう。にわかに写真全体が明るくなったが、コントラストが鈍ることなく写ってる物の明瞭度、鮮明度がUPしたようだ。見慣れてる写真でアングルは変わらないが、カメラの設定を少し変えて、よりアップデートされた感じに思う。フォトショップで加工した感じはない。あくまでも自然で微妙なアップデートだ。Orpheusはそんなイメージ。
Nordost Valhalla2 USB2.0(以下Nordost)に変更してみる。事前情報として派手な音の傾向と聞いていたので、少し身構えて再生ボタンを押した。これもまた衝撃である!なんとまあ!どういうことでしょう!思わず顔がにやけた。いい音だなー!素直な感想である。AIMとは空気感が違う。Orpheusとは明るさの根本が違う。端的に言えばノイズフロアが下がった!それに伴い各楽器の明瞭度と鮮明度が上がり、音の重なり見通しが良くなったことで音が明るく感じられたのだと思う。USBケーブル変えただけでなぜ?と思うが、左右の広がりも感じられた。不思議だ。曲が進むにつれ楽しくなってしまう感覚。甘美でフルーティーな音!って、表現へたくそかっ!とにかく噂に違わぬ派手さは感じられるが、楽しく音楽が聴ける感覚は顔がにやけてしまうほどだ。くどいが、素直にいい音だなーって思う。今まで聴いてたCDやハイレゾ音源をこのUSBケーブルを通して聴きたい衝動に駆られました。
Nordost USBケーブルで写真を見てみよう。ずいぶん明るくなったし、構造物の陰影も明瞭になり、自然の景色もよりメリハリが効いて鮮やかである。もしかすると撮影アングルも少し変えた?カメラ設定変えた?まさかスマホのパノラマアプリ使った?さすがにパノラマは無いにしても、フォトショップで何らかの加工、脚色は行っているだろうが、相当技術が高くセンスも良い。風光明媚な景色と建物のバランスも良い。誰もがこの地を訪れたくなるような写真。Nordostはそんなイメージである。
まずは4モデルのレビューとなりましたが、ここまで音質に影響出るとは!驚きの連続です。間違いなく言えることは、デジタル機器に標準装備されてるUSBケーブルは使わないほうが良いということです。予定時間を1時間超えてしまったので、Jorma USB referenceとCROSS POINT NEW XP-DIC/USB EN SEのレビューと総括は後半に続きます。録音業務最優先としておりますので、後半掲載まで少しだけお時間いただきます。