前回投稿から少し間が空きました。相変わらず忙しくしておりますので、今回も短めとなりますが、簡潔にわかりやすくまとめたいと思います(すみません、書いてるうちに長くなりました)。
以前から気になってたメーカーANALOG RELAXのMCカートリッジ、自宅デモの機会を頂き聴いてみた。ANALOG RELAXのMCカートリッジ3モデルと、当ラボ使用頻度高めのDelosとStarlingを比較した。
今回比較用に用意したのはSly & Robbieの1985年のアルバムLanguage BarrierからA1のMake ‘Em Move(とんねるずオールナイトニッポンオープニング曲)。生演奏物だがエレクトロニクスも多用してる1985年当時先端のサウンドだ。シンプルな楽器構成だがそれぞれの音が適切な位置に配置され、各楽器の音が明瞭に展開される気持ち良いファンクサウンドだ。各MCカートリッジを用いてリアルタイム再生音比較!早速いってみよ!録音ファイル比較は後述します^^
まずエントリーモデルのEX7から(スペック等はメーカーサイトご参照)試聴した。私の経験上カートリッジのグレードが上がるにつれ繊細で大人し音になる印象が強いが、エントリーモデルは元気なものが多い。しかしこのEX7、特別元気があるわけでもなく、繊細な感じもなく、特筆する印象は無かったです。むしろ高域が出きってなく音の明瞭さに欠ける。元気な音が好みの私にとっては少々物足りない。背景と音の立体感、メリハリも感じられず極めて平面的な音である。基本性能や造りはしっかりしてるので、ANALOG RELAX入門編としては良いと思う。私の好みからは大きく外れてるので試聴は短時間で終了。個人的な感想をストレートに書いております。ご容赦ください。
続いて中間グレードのEX3だが、中間グレードといってもLYRA / KLEOSやMysonic Lab / Eminent GLと同等の価格だ。そしてEX7の約二倍価格。早速聴いてみた。EX7で感じた高域の抜けの悪さは感じられない。いい具合に高域が伸び、音の明瞭度も格段にアップしてる。しかし私の好みかといえばそうでもない。素直に音が出てすんなり耳に入ってくる美しい音だが、やはりパンチ力がいまいち足りない。基本的にダンスミュージックには向いてないのかな?やはり私の好みではない。EX7と比べれば印象は良いが、DelosやStarlingと比較するまでもないかな。このEX3は当ラボシンプルコースで活躍中のオーディオテクニカAT-33SAと似た感じだが、AT-33SAよりも繊細な印象だ。ロックやダンス系が好きな私には向いてないが、平均以上の良い音を求める場合は十分候補として考えられる。基本性能や造りは間違いない品なので、一般的なアナログらしい音を好む場合はお勧めできます。奥歯に物が挟まったような表現で恐縮です。借りておいてこの感想は申し訳ないが、あくまでも私個人の感想です。重ねてご容赦ください。
続いてハイエンドモデルのEX1だ。今回の目玉である!早速針を落としてみた。EX7とEX3とは別物だ。ってか、今まで聴いたMCカートリッジの中でも3本の指が入る、いえ、3本の指に入るほど、いや、もしかして1番かも!(LYRA / ETNAは未運用なのでまだ聴いてない)衝撃的な音である。なんのストレスもなくぐいぐい音が出てくる。めちゃめちゃ楽しい。本当にぐいぐい来るのだ(笑)。笑えるくらい良い!パーフェクトなピラミッドバランス!背景の静けさも相俟って演奏がリアルに耳と体に届くのだ。私が多用する音の表現、左右の広がり、立体的なレイヤー、音の粒が明瞭などなど、良い意味の形容詞がすべて当てはまる。全ての音が出きってる感じ。音が鳴って消えていく瞬間までもが明瞭なので、グルーブ感がより一層際立つ。何をどうしたらこのようなリアルな表現になるかわからんが、サファイヤ製のカンチレバーや本体の花梨無垢材が関係してるのか?メーカーサイトにはアコースティック系音源の再生が得意と謳ってるが、ばりばりのダンスミュージックの表現も素晴らしい。EX1とDelos、Starlingと比較してみたい衝動に駆られたが、、、リアルタイム再生ではかなわないだろうとこの時点でわかるほどEX1は素晴らしい。こうなれば電気信号で勝負だ!つまり録音ファイルで比較してみることに。ちなみにレコードのリアルタイム再生音と録音ファイルの音は少し違う。録音ファイルの場合デジタル化によって失われるものは多少あるが、リアルタイム再生の良さは恐らくカートリッジやヘッドシェル、レコードプレーヤーの構造など、響きに関する部分が高音質化に関係してるであろうと推測する。しかし明確に、具体的に、理論的に説明できないので、リアルタイム再生音は重要としつつも、当ラボでは録音音源を最重要とし、それを比較することで違いを確認してみた!
予想通り大きな差はないものの、EX1の素晴らしさは録音ファイルにも表れた。DelosもStarlingもとても元気の良い音で、各帯域平均的に前に出る傾向だ。Starlingは中域が濃くDelosは高域と低域が濃い。EX1はリアルタイム再生でパーフェクトなピラミッドバランスだったが、録音ファイルでも完全に継承されている。低音の鳴りも激しすぎず、質感の良い高域と程よい押出しの中域、絶妙のバランスである。お気に入りのDelosやStarlingが少しかすむほどだ(笑)。
悔しいのでLYRA / KLEOSとMysonic LAB / Eminent GLも引っ張り出して録音ファイル用意した。さすがにこのクラスともなれば良い勝負だ。しかしどうもなにやら物足りない。なんだ?EX1は高域の抜けが抜群に良いのだ。
あ、そうそう、響きに関係するカートリッジ本体やヘッドシェルとは別に、リードワイヤーは録音ファイルに大きく影響及ぼすことに着目。改めてEX1デモ品のリードワイヤーが何なのか、メーカー担当者に直接訊いてみる。アナログリラックス 大吟醸リード プレミアムが装着されてるとのこと。!。なるほど。EX1は間違いなく素晴らしい製品だが、リードワイヤーの影響も大きいのでは?早速Starlingをデモヘッドシェル&リードワイヤーに装着してみた。こちらはStarlingを装着していたortofon / LH-9000ヘッドシェルとKS Remasta / KS Stage 101EVO. リードワイヤー↓
デモヘッドシエルはGENESIS TYPE-P HEAD SHELLで取付ネジはAET EVO-CSSH↓
早速録音ファイルを比較してみたが、やはり予想通り大吟醸リード プレミアムも超怒級のリードワイヤーだった。高域の抜けの良さだけではなく、全体的な底上げも感じられた。大好きなStralingだが、ますます好きになった(笑)。アコリバのリードワイヤーも良いと思ったが、大吟醸リード プレミアムはその比じゃないかも。。。。EX1との組み合わせ、そりゃ過去一番の音となるのも納得です。リードワイヤーで音が変わることは経験済みだったが、激変とはこのこと!Eminent GLでも試してみたくなった。ortofon / LH-9000ヘッドシェルとKS Remasta / KS Stage 101EVO. Iリードワイヤー↓
ノーマル(ortofon / LH-9000とKS Remasta / KS Stage 101EVO. Iの組み合わせ)の音は、ピラミッドバランスの素晴らしい音だが、EX1デモ機に比べるとやや高域と中域のクリアさが物足りない。しかし、GENESIS TYPE-P HEAD SHELL大吟醸リード プレミアムコンビに装着し録音したファイルはEX1のそれに近いパーフェクトなピラミッドバランスに化けた!この段階でEX1とEminent GL音の傾向が似てると確信する。カートリッジ本体の性能は最重要だが、リードワイヤーも同じく重要と再認識した。ついでにヘッドシエルで録音ファイルは変わるか?せっかくなので、ヘッドシエルをortofon / LH-9000に変更してみた。録音ファイルの違いはわからないレベルだ。リアルタイム再生音の比較では特筆する違いは感じられなかった。
GENESIS TYPE-P HEAD SHELLは見た目がかっこいいので、近いうちLYRAのETNAに装着予定。AET EVO-CSSH取付ネジも、某店のアナログ再生の匠といわれる方が推してる製品なので、相乗効果は期待できると思う。いつか時間ができたらヘッドシエルやネジの比較試聴もじっくり行う予定だ。しかしこれはすぐに切り替え即比較!とはならないので違いは分かりにくいかも。そんな時はブラシーボプラス見た目の満足感で悦に浸るのも良いかも^^。最後に何てこと言ってんの?でも、見た目もブラシーボも大切だと思います。
ということで、長くなりましたが、個人的主観でEX1とアナログリラックス大吟醸リード・プレミアムの素晴らしさ書きました。リアルタイムで記憶を辿りながら書いてるので、途中おかしな表現あるかもしれませんが伝わりましたか?EX1はいつか手に入れたいと心から思う品でした。リードワイヤーは既にオーダー済み。近日中にLYRA ETNAに装着し、レビューかねて紹介いたします。