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高音質AD/DAコンバータAMARIレビュー(3)

さて、前回はAMARIレビュー(2)ということで、色々な発見や検証結果など報告かねてレビューしました。

今回も前回の続きAntelope Audio AMARIのレビューということで早速行きましょう!
その前に、、、、

以下、複数の製品について使用感を記載しておりますが、レコードのデジタル化に限定した使用感なので、一部否定的な記載はその製品のすべてを否定するものではございません。また、レコードのデジタル化を参考にされるのは構いませんが、当ラボの接続や設定はすべての対象者におすすめするものではございません。一つの方法としてご参考いただければ幸いです。


さて、AMARI導入による音質の底上げは図れました。接続や設定など基本が整いました。ここで一点AMARIの難点?を書いておかねば、、、。難点といえば難点なんですが、、、逆に言うと自信の表れとでも言いましょうか、、、実はAMARI入力レベル調整ができないんです。eclipse384はデジタル制御のレベル調整ができました。しかもかなり幅広くできたので重宝しました(LRのバランス調整はできない)。AMARIにはなぜ入力レベル調整が無いのか?

一般的に音楽を聴く場合、間に介す機器が増えると音質が悪くなるといわれてます。機器の内部についても調整機能が増えると音質劣化するといわれてます(一概には言えませんが)。昔のプリアンプやプリメインアンプは低音と高音と左右バランス調整つまみが必ずといっていいほど付いておりましたが、調整機能が音質劣化を招くという理由で、それらを排除した製品が増えてきました。高級なものほど調整機能が排除されてるようで、オーディオインターフェースやDAC、AD/DAコンバータも同様の傾向です。逆にお手頃なUSBオーディオインターフェースはLR個別で入力ゲイン調整ができたりします。音質よりも使いやすさを優先させるってことでしょう。


高級なAD/DAコンバータでいうところの、つまりAMARIのライバルといえる製品の中にもゲイン調整できるものは多いです。例えば有名ところでRMEならFireface UFXIIやADI-2 Proなど、Prism SoundならOrpheusやTitanなどが思い浮かびます。この中ではRMEのADI-2 Proが一番AMARIに近い製品ですね。他はマイクプリがメインでアナログ入力はTSやTRSフォン入力でオーディオよりもライン楽器入力がメインの印象が強いです。

実際UFXは所有していた時期もあり、Orpheusも自宅デモ試聴したことがあります。いずれもeclipse384の音にはかなわなかった記憶がございます。eclipse384ですらゲイン調整機能がありましたから、調整機能が無いAMARIはもうワンランク上の製品と考えられます。ってか、入力レベル調整できないADコンバーターって他にありますか?音質へのこだわりが半端ないことがわかります。


ちなみにADI-2 Proの音はまだ聴いたことがない。スペックを見るとよさげな印象を受けます。DSDも対応してるし。しかし、RMEの音の傾向って同じような感じだって話は聞いたことがあるので、UFXと同じ傾向となると個人的には聴くまでも無いかなと。この手の製品国内シェアはRMEがダントツらしいが、安定性が優れてるからというのが理由でしょう。って話も聞きました^^。安定性も大事ですが私にとっては音質が最重要!AMARI以外の選択肢はない!


Antelope Audio推しではないですが、そんな調整機能が一切ないAMARIは適切に入力されたソースを、最高の品質で変換してくれる優れた製品といっても過言ではないですね。レコードソースを適切な状態にしてAMARI様にお届けするにあたり、当ラボのデジタル化プロセスについても一部触れておきましょう。上記の画像で示す構成はほんの一例にすぎません。当ラボでは各コースやジャンルによって複数の接続、機器構成でデジタル化を行います。

MCカートリッジの微細な信号を増幅させるフォノイコライザーにはレベル調整機能がありません(フォノモジュール内蔵型プリアンプを除く)。適切なレベルに調整するアンプが重要になってきます。コチラで解説してる通り当ラボはここにプリアンプを使用しております。何を使うか?過去数年に渡り色々と検証しました。DJミキサーに始まりドイツ製高級プリアンプや国内ハイエンドプリアンプなどなど。。。最終的にDJミキサーが一番しっくり来ました。。。。こんなに調整つまみついてるのに(笑)。←これ、オチではないですよ。ちなみにこのような検証はAMARI導入前のeclipse384時代のお話です。

一応、どのように検証したのか書いておきます。あるレコードを同じ条件でパソコンに録音する際に、複数のプリアンプとDJミキサーを用意し(計5台)、取り替えて録音を繰り返し5ファイルをDAWソフト上に並べブラインドテストした結果、DJミキサーを介したものが一番印象が良く、さらにマスタリングした際も結果的にDJミキサーをプリアンプとした音源が一番良かった(予想外)!癖が無くノイズも思いのほか少なかったのが意外でした。当時試したミキサーがeclerのnuo3でした。十数万円のDJミキサーが100万円オーバーのプリアンプに勝ってしまったことには驚きました。もともと使用してたoctaveというドイツメイドの真空管プリアンプHP-700を手放すきっかけとなりました。以前は同メーカーのHP-300SEを使用してたが、どうも、この手のプリアンプはオーディオ的な音の艶がマスタリング時の邪魔になる。癖が強くなるのでレコードのデジタル化には向いてないと判断しました(ピュアオーディオで使う分には最高でした)。そんなこんなでDJミキサー使うんだったら最高峰のMODEL1がいいのではないかということで、懇意のショップに相談し購入前提に自宅デモ依頼!結果一聴の段階で迷わず購入となりました。


ちなみに、自身が使用するDJ用音源のアーカイブを作成してたころは、プリアンプを介さず録音してました。3段階のゲイン調整ができるフォノイコライザーや出力ゲインの低いフォノイコライザーを使用し、eclipse384の入力ゲインで適正なレベル調整しPCに録音しておりました。その時の音がなんとなくスカスカで、薄っぺらい音質だったのでそれを改善する意味で色々と検証するに至りました。2013年~2016年あたりの話です。


検証の中で迷走してる時期もありました。フォノイコライザーの後にスタジオクオリティのアウトボードダイナミクス系エフェクターをかましたり、、、、。これならLRバランスも微調整できるので良いのではないかと。マスタリング機能付きの製品も使用しましたが、使い方が悪かったせいか(笑)満足したのは一時的で、大音量でフロアで使用したときの癖が気に入らずこれも断念。


話を戻そう!フォノイコライザーからの信号をミキサーの1ch(L)と2ch(R)に入力、もちろんフィルターやEQはフラットの状態。レコードソースはLRのレベルが極端に違うものがたまにあるので、試聴した上でミキサーのトリム、または縦フェーダーを使ってバランス調整し適切なゲインでAMARIに送ります。改めて言いますが、本当にDJミキサーが良いのかよーー!って突っ込み入るかもしれませんが、このMODEL1ってミキサーとんでもなく音が良いから使うのです。これ通すと良くなるんです。このアナログソースをAMARIにADさせることで基本となる高品質なデジタルデータが作成されるわけです。


数年前からいろいろな検証を行いプリアンプやアウトボードなど適材適所で使いつつ機器構成も変化させながら現在に至ります。そのプロセスや機器構成の一部をご紹介いたしましたが、最終的に信頼のおけるAMARIにいかにして良い音を届けてあげるかが今後も課題となりますが、レコードのデジタル化はここで終わりません。


このデジタルデータ、レコード特有のパチプチノイズも一緒に録音されてます。ノイズが乗ってる音源はクリーンな音とは言えません。ここでいかに労力を惜しまないかで仕上がりが大きく変わってきます。このノイズ処理が気の遠くなる作業となります(少なくとも音質に影響なく除去する場合の話です)。ノイズが気にならない場合はこの限りではないが、大半の人はノイズがないものを求めるはず。ご自身でレコードの
デジタル化をやってみようと考えてる方、上記が少しでも参考になれば幸いですが、このノイズ除去は最大の壁かもしれません。そんな簡単に原音に影響なくきれいにノイズ除去ができるわけがないのです。例えばノイズ除去レベルを上げて処理すれば綺麗にノイズ除去できますが、肝心の原音も損なわれます。しかも音楽にとって大切なトランジェントが大きく失われます。わかりやすく言うと音の輪郭、明瞭さ、瞬発力、アタック感が失われとてもつまらないものになってしまいます。

高品質なデジタルデータを作成する環境と、ノイズ除去のノウハウを駆使した上で基本となるマスター音源が完成します。(今後はレコードをデジタル化しノイズ除去したクリーンな音源をマスター音源と呼ぶことにします)

少し話がそれましたが、次回マスター音源とAMARIを使って最終的なアーカイブ音源を作成するプロセスと、新たな可能性について書きたいと思います。

続く