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高音質AD/DAコンバータAMARIレビュー(4)

AMARI-MR-2000S

前回はAMARIレビュー(3)ということで、AMARIの実力や使い方、接続などレビューしました。

今回も前回の続きAntelope Audio AMARIのレビューということで早速行きましょう!


さて、前回AMARIレビュー(3)から少し時間が経ってしまい、業務が忙しくこちらのコーナーが後回しになってしまいました。途中2台のAMARIが当ラボに存在してたのですが(デモ機)、急遽返却することになりまして2台のAMARIを使って検証したいことができませんでした。検証内容気になっていた方には申し訳ないです。今回のAMARIレビュー(4)でその件についても触れたいと思います。


前回のレビューで当ラボのマスター音源を使って最終的なアーカイブ音源を作成するプロセスと新たな可能性について示唆しましたが、今回は具体的に書きたいと思います。今回は時間がないので、テキストのみとなります。


まず、レコードをAD(デジタル化)、ノイズ処理後のファイルをマスター音源とします。マスター音源を元に音質、音圧調整を行います。レコードの再現性を重視しているので、極端なEQ調整は行わず微調整後に音圧調整します。基本一般的適正といわれる音圧に調整しますが、お客様のご要望に合わせて音圧調整する場合もあります。音決めが終わったらバウンス(レンダリング)といわれる作業を行い最終的なアーカイブ音源が完成します。このファイルが納品用のハイレゾ音源であり、CDに書きこむデータとなります。


続いて新たな可能性について触れたいと思います。マスター音源をプラグインソフトで音質や音圧を調整し、最終的なデジタルファイルに書き出すバウンス作業、時間にすると1曲あたり数十秒程度かかります。この部分でAMARIのDAを活用してみようか?と考えたのです。


一般的な音楽制作において最終的な2 MIXに落とす際、プラグインでバウンスする方もいれば、PC上でプラグインエフェクトかけたものをリアルタイムで再生しながら、アウトボード(ダイナミクス系エフェクター)
を介してレコーダーに録音しコンプリートとする方も多いです。最終的に出来上がる2 MIXの質感にこだわる方はアウトボードを使用するようですが、当ラボでもこの考え方にヒントを得たのが、アウトボードではなくAMARIを通してDAされた音をレコーダーに録音するというものです。


単純に録音時間が倍かかりますが、この方法でより高音質なものができるようなら、特別コースのさらに上位のコースを設けるのもありかなと。この場合レコーダーはKORGのMR-2000sが真っ先に思い浮かびます。以前使ったことがありますが、MR-2000sのADコンバーターは正直それほど良い音では無かったです。eclipse384やAMARIとは比較にならないのでAMARIを通した音とはいえMR-2000sにPCM録音(wavのハイレゾなど)しても音を悪くするだけの結果が見えてます。ではMR-2000sで何をするの?


そうです!DSD録音です!なんてビックリマーク付けるほどのことではないですが(笑)、PCMハイレゾ音源ベースで綺麗にノイズ処理したものを、プラグインソフト介してリアルタイム再生マスタリング音声を、AMARI通してアナログ出力したものを1曲1曲DSD録音し、個々のDSDファイルを完成させる。これって有りなのでは?DSD再生環境がある方にはお勧めできるものとなるかも!と考えたわけです。。。AMARI自体もDSD256(DSD 11.2Mhz)まで対応してるので(AMARIはDSD録音できません、ファイル再生のみ)、私もDSDファイルを楽しむことができます。高音質特別コースでノイズ処理したマスター音源をAMARIでアナログ化しDSDに封じ込めるという考えです。DSDコース少しだけ検討してみましょうか。。。


しかしながらこの場合、純粋なDSD録音ではないです。高音質特別コースの24bit/192khzファイルを再生してDSD録音するので、ネイティブなDSDではなくいわゆるエセですね。エセDSDに魅力を感じる人は果たしているか?私が実際に体験し納得できる音質ならDSDコース設けても良いのですが、MR-2000S、、、今は持ってないんです。で、AMARI2台あるときにAMARIで再生したものをAMARI通して24bit/192khz録音したらどんな音になるだろうって検証したかったですが、実現できなかったのでeclipse384通して24bit/192khzファイル作成しました。聴いてみると少し質感が変わったように感じました。これだったらバウンスのほうがいいかなということでAMARI再生→eclipse384で再びADは無しですね。


ちなみにレコードの再生音をダイレクトにMR-2000sでDSD録音したものをノイズ処理してマスタリングしてファイルを完成させればいいのではないかと思う方も居るでしょう。実際されてる方もおりますが、恐らくDSDファイル直接加工されてないと思います。実はDSDファイルって扱いにくいんです。DSDファイルは直接ノイズ処理やマスタリング(エフェクト処理)、編集加工できるソフトって一般的には無いんです。DAWソフトでネイティブDSDファイルを編集加工できるものはあるらしいが、機能は極めて限定されてるし市販されておらずレンタルでしか使えないというものらしい。


sound itやkorgのaudio gateなどはDSD音源編集加工できるようなことを謳ってますが、曲の前後を切ったりする編集機能はあるが、DSDファイル直にノイズ除去したりマスタリング処理することはできないようです。
DSDファイルを一旦PCM(wav)に変換し再びDSDに戻すことができるソフトなので、PCMに変換した隙にノイズ除去やマスタリングしてくださいという、、、つまりこれもエセDSDファイルを作成できるソフトなわけです。


そんなことするくらいなら最高の環境でハイレゾPCM録音したものを加工して、リアルタイム再生音をAMARI通してDSD録音した方が断然音が良いことが想像できます。しかしこればかりは検証してみないとわからない。


AMARIのレビュー(4)としましたが、AMARIの再生音をDSDに封じ込める話になってしまいました。そう思わせるくらいAMARIの再生音は素晴らしいということが伝われば幸いです。

DSDコースを設けるか否かは50%、、、つまり話半分ということで、次回はAMARIを強力にサポートしてくれるアイテムを紹介します。ここでAMARIのレビューは完結といたします。