24bit/192khzDJ音源ノイズ除去ハイレゾ変換レコード音質比較

ダンスフロアでCD音源とレコード録音音源の比較

マッツ
2週間前のイベントで当ラボ録音音源をフロアで大音量試聴してきました。

一部再調整必要なマスタリング設定があったので再調整を行い、クラブやディスコ同等かそれ以上のいい音を出してくれる音響設備がある施設を貸し切っての試聴&検証を行ってまいりました。

石川県小松市の小松駅に隣接するマッツという施設です。私の友人でもありDJでもあるSくんと二人で4時間ほど音にまみれてまいりました。

DJミキサーの音質比較ニュースでSくんには何度か協力いただいており(詳しくはコチラ)、信頼できる耳を持ったDJの一人です。

会場はこんな感じです。

DJミキサー DJミキサー

箱の大きさはちょうどよい感じでして、画像からイメージできるでしょうか?前面にステージとスピーカーが設置され、後方にミキシングコンソールが鎮座したコントロールルームが設置されております。クラブやディスコイベント、ライブイベントで使用されているので、音響設備もパーフェクトな環境です。

左の画像の左側が私のセットで右側がSくんのセット。

それぞれDJM-900NXSXONE 96いずれも24bit/96khzハイレゾ対応のDJミキサーを使用。コントロールソフトはセラートDJとトラクターDJ。各自用意した音源をイベント同様の音量で試聴するのですが、やはり基準となる音源が必要となります。

ダンス物からロック、ポップス、歌謡曲など、市販CDのなかでも高音質リマスター盤を選び、リッピング → 16bit/44.1khz の音源ファイルを数曲用意しました。それに対して比較する音源は当ラボでレコードを録音した音源です。当然のことですがCD音源と同じ曲を用意しました。

レコード → ハイレゾ録音 → ノイズ除去 → マスタリング処理 を行ったファイルをDJソフトの右トラックに、CD音源を左トラックに用意し同時再生。各トラックの音量はミキサーで合わせているのでDJミキサーのクロスフェーダーを左右に動かすことで純粋な比較試聴ができるというわけです。

大音量かつ鮮明な音で比較すると違いがわかるのですが、CD音源とレコード録音音源の比較前にCD音源同士の比較もしてみました。

同じ曲でもリリースされた年代やリマスターエンジニアの違い、レーベル違いで音がぜんぜん違います。基本的にCDの音は信用してませんが(笑)、2000年代に入ってからリリースされたもので、良い音質のものは確実にあるので、今回は高音質CD音源 VS レコード録音音源(以下レコード音源)ということで比較してみました。

今回比較した曲の一部をご紹介いたします。

以上ほんの一部です。


簡単に比較結果を紹介します。


山下達郎:SPARKLE

CDは波形が潰れるほどの音圧アップはないものの、程よいバランスで迫力ある高音質にリマスタリングされており、大音量で聴いても気持ちよく聴けました。レコード音源に切り替えると明らかに音の質が違う。。。間違いなくレコード音源のほうがクリアーで各帯域のバランスが良い。音の粒が揃っており音の広がりも相俟って素晴らしい音で聴けました。CD音源だけ聴けば良い音ですが、レコード音源と比較してしまうとCDの音がにじんで聴こえてしまう。各音がにじむような、、、高音がギラつくようなイメージ。ちなみにレコード音源は全体にノイズ処理を行っているので、にわかに音質低下を危惧してたのですが全く気になりません。自画自賛は憚りますが、、、レコードを当ラボでCD化、ハイレゾ化したほうが音が良いと感じました。そもそもオリジナルLPの音質が良いのでしょう。当ラボのデジタル化はレコードの再現性を重視してます。その結果だと思います。

 


吉田美奈子:TOWN

こちらも上記同様程よいバランスで高音質リマスタリングされたCD音源です。レコード音源に切り替えるとこちらも音の質感が違います。なぜかスネアドラムの音がCD音源とレコード音源で違う?マスタリングの妙でここまで音色が変わるのか?というくらい違って聴こえる。まあ、ドラムの音色は置いといて、音質はいずれも高音質。CD音源がにわかに低音の膨らみが有るものの、素晴らしい迫力サウンドで楽しめます。一方のレコード音源、これまた気持ちいいアナログディスコファンクサウンドが楽しめます。各帯域のバランスがちょうどよいです。CD音源と比較して感じたことなので、比較無しで聴いた場合文句のつけようがない素晴らしい音質です。これもオリジナルLPの音質が良いのですね。この曲に関しては引き分けかな。

 


Frankie Goes To Hollywood:Relax

今回用意したCD音源で一番高音質でした。文句のつけようがないです。マスタリングエンジニアの腕も良いのでしょうが、トレバー・ホーンプロデュースなので、恐ろしく高価な機材で録音された楽曲故に元の音が良いのでしょう。CD音源との比較、さて、レコード音源に切り替えたところこれまた驚愕!ほとんど差がない。Sくんにフェーダーを切り替えてもらいブラインドテストしてもCD音源かレコード音源か区別がつかない。曲の前奏、サビ、間奏など各ポイントで音の質感や広がりがにわかに違うもののいずれも高音質。レコード音源はピンポイントでノイズ除去してるので、全体的な音質劣化はない状態なので、最大限レコードの再現性は保たれてます。これは使用カートリッジ次第でCD音源を超える可能性アリとにらみました。レコードのデジタル化恐るべし。。。こちらも引き分けですね。

 


Paul Hardcastle:19

CD音源はとてもクリアな音かつ音の粒が揃っており、気持ちよく聴けましたが少し低域が足りない気がします。CD音源だけ聴けば高音質と感じるレベルですが、レコード音源に切り替えたところ差は歴然でした。圧倒的にレコード音源が高音質!これほど差が出るとは思いませんでした。というのも今回録音したレコードは日本盤12インチで、片面まるごと一曲仕様ではなく二曲仕様だったので、オリジナル盤と比べると音質的にやや劣ると思っておりました。オリジナル盤レコード音源とCD音源比較したらもっと差が出るのかもしれません。そのくらいレコードは可能性を秘めているということでしょうか。やはりレコード恐るべし。

他にも色々なジャンルの曲を比較ししましたが、軒並みレコード音源が優勢となる結果。これは今後の大きな自信に繋がります。レコードデジタル化で重要な点として、手作業による入念なレコード洗浄、高品質機器を使用しレコードを適正レベルで録音、レコードの再現性を重視したマスタリング、以上を駆使することで高品質なデジタルファイルが完成します。ダンス系に限ったことではなくオールジャンルにあてはまるので、CD化されてる、されてないにかかわらず、レコードを所有されてる方はCD化ハイレゾ化を検討してみてはいかがでしょうか?音質にこだわる方には特にお薦めいたします。

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