さて、ここ最近プリアンプの必要性について思案しておりますが、必要と既に答えは出ております。何を使っていくかに絞られるが、1台といわず複数使うのも有りで、ジャンルやコースで使い分ける方向で定まりつつあります。そんな中以前から気になっていたモデルを自宅デモしました。コロナ禍でイベントや試聴会が開催できないので、最新モデルでない限り自宅デモは実現しやすい。
上記画像は数年前メインで使用してたPassのXP-25というフォノイコライザー。アメリカ製なのでワイルドな音には違いないですが、解像度高めでパンチ力があり、左右の広がりもあって私好みの逸品でした。Pass製品を使用してた経緯があり、プリアンプにも同様の質感を期待しデモ依頼しました。
上記画像今回のデモ機はXP-12というプリアンプで、Passのプリアンプの中ではエントリーモデル。他のモデルは本体と電源部が分かれてるが、XP-12は1筐体のモデルで設置も楽である。ちなみにXP-25は、本体と電源が分かれてたが、重ねたり隣接するとハムノイズが出ることが多く、使い辛かった記憶がある。音の傾向も同じと予測するが、過去の環境と今の環境は全然違うので、どのような音になるのか楽しみです。
外観は極めてシンプルで操作もわかりやすい。マニュアル無しでも楽々操作!早速音を出してみた。フォノイコライザーの音声をプリを通して聴いてみた。
予想を超える迫力に驚いた。左右の広がりと低域の量感で圧倒されてしまった。余裕で音を出してる感じが伝わってくる。様々な時代のレコードを聴いてみたが、特に最近の曲は低域が充実してるので、それをうまく出し切ってる。低域の音階もわかる。当ラボプリアンプ筆頭MODEL 1とは音の出方が違う。過去プリアンプを色々試聴してるが、DJミキサーとオーディオ用プリアンプは、録音ファイル(レコードをデジタル化)こそ大きな違いはないが、リアルタイム再生でここまで違いを感じたのは初めてだ。早速XP-12でレコードをデジタル化しMODEL 1でデジタル化したファイルと比較してみた。
リアルタイム再生で感じた違いが大きいせいか、録音ファイルもそれなりに違いは出てるが、明らかに違うというレベルではない。プリアンプの色艶や脚色感は比較的少ないが、あるといえばある。特に低域の量感に表れているが、正直これは邪魔になるかも?と感じてしまった。好みか好みじゃないかと尋ねられれば好みだが、録音に向いてないかも、、、。解像度や音の広がりは文句なく良いが、時に低音が暴れることと、録音する際のゲインレベルが足りないこともあった。具体的に言うと、カッティングレベルの低いLPを出力の低いMCカートリッジで再生した場合、フルボリューム99でも(0~99)録音レベル基準(-6db)に満たないケースがあった。これは実務では使えないと判断。リアルタイム再生向きのプリアンプと結論付けた。
さらに複数のレコードを大音量で聴いてみたが、低音が暴れて変な鳴り方するレコードも出てきた。これをプリアンプXで鳴らしてみたが、暴れることはなかった、、、って、、、まだプリアンプX持ってたんかい!はい、持っております^^。結局プリアンプXの色艶と脚色と録音音源のベストバランスには及ばないXP-12ですが、一般的なプリアンプはLRバランス調整ができないものが多いが、XP12はLRバランス調整可能である。音質も十分素晴らしい製品ということは間違いない。プリアンプも多く聴いてきましたが、いろいろ見えてくるものがあります。プリアンプ、、、、今後当ラボでどのような使い方をするか悩ましいです。