pre

niimbusとViolectricをプリアンプに

v590

さて、ドイツ製プリアンプ2モデルのデモ試聴がようやく終わりました。貸出期間を長めに頂いたにもかかわらず、短時間のデモ試聴となりましたが、意義のあるデモ試聴となりました。お手配いただきましたS社のI様には感謝いたします。今回の2モデルについてはコチラで簡単に説明しておりますので割愛させていただきます。また、Violectric:Dha V590 pro(以下V590)のDAC機能については時間が無かったので試すことはできませんでした。よってniimbus:US4+とViorectric:V590のプリアンプ機能限定のレビューとし、フォノイコライザー→プリアンプの→AMARIの流れでAD(アナログをデジタル化)する場合、現在使用してるプリアンプMODEL1との音質比較結果を簡潔にまとめることとします。今回5種類のカートリッジ、5曲、3機種のプリアンプで録音したファイルをDAW上に並べて比較。全15トラック並べて比較試聴しました。ジャンルが偏ってる点はご容赦。好きな作品の方が違いが分るということでご理解を。

A:Gaucho
A:Steely Dan / Gaucho:AT-ART9XA

B:Relief 72 Hours
B:国分友里恵 / Relief 72 Hours:Delos


C:Powerlight
C:Earth, Wind & Fire / Powerlight:Eminent GL

D:Thriller
D:Michael Jackson / Thriller:Kleos


E:Scritti Politti / Cupid & Psyche 85
E:Scritti Politti / Cupid & Psyche 85:Signature Platinum


A:Steely Dan-Gaucho-A面1曲目MC針AT-ART9XA-プリアンプのMODEL1、US4+、V590を介し録音-3ファイル比較試聴。
B:国分友里恵-Relief 72 Hours-A面1曲目MC針Delos-プリアンプのMODEL1、US4+、V590を介し録音-3ファイル比較試聴。
C:Earth, Wind & Fire-Powerlight-A面1曲目MC針Eminent GL-プリアンプのMODEL1、US4+、V590を介し録音-3ファイル比較試聴。
D:Michael Jackson-Thriller-B面1曲目MC針Kleos-プリアンプのMODEL1、US4+、V590を介し録音-3ファイル比較試聴。
E:Scritti Politti-Cupid & Psyche 85-B面3曲目MC針Signature Platinum-プリアンプのMODEL1、US4+、V590を介し録音-3ファイル比較試聴。


v590
v590

v590
v590

まずV590ですが、画像からわかるように、ヘッドフォンアンプ、プリアンプ、DAC機能を備えており、背面のディップスイッチで入出力のゲイン調整が可能。大まかなゲイン調整後にフロントパネルのヴォリュームノブで音量調整するので、十分なゲインと音量が確保できます。ヴォリュームノブを回すとカチカチ音が鳴るステップ仕様。細かなステップなのでカチカチ音は気にならない。ヴォリュームノブとは別にLRバランス調整ノブがあり、センタークリック仕様で左右に回すことで入力ソースのLRバランス調整ができる。左右に振り切っても完全に10:0にならず微調整用。後述するが左右の振り幅に対して調整量が少ないのは大変ありがたい。

比較試聴の結果:ゲイン調整や左右バランスの調整は申し分ない。特にV590のLR調整機能および質感&レスポンスは素晴らしいです。レコード再生する上で左右音量バランス調整は必須と考える当方にとって、この製品に着目した点に狂いはなかった^^。さて、音質ですが、癖のない正確な音が出る印象です。カートリッジの質感がデフォルメされることなく今までのイメージ通りの音が出てくれます。つまりMODEL1と比較してもほとんど変わらない音質の良さを感じました。MC針の違いでMODEL1とは違う聴こえ方する曲もあったが、わずかな違いなので特筆することはないが、にわかにハイが丸くなりソフトな耳当たりとなった曲もあった。過去に試聴したプリアンプ、ドイツのO社、日本のA社、L社、E社、軒並みプリアンプの色が濃かったように思いますが、V590は癖なくストレートな音で好感持てました。


niimbus
niimbus

us4+
us4+

続いてUS4+ですが、アナログ部分はV590同様で、デジタル入力DAC機能を排除した完全なアナログプリアンプ。基本的なことはV590と同様だが、ヴォリュームノブのステップ数がより細かくなっている。よりスムーズに回転するので、これはこれで気持ち良いしより精密な音量調整ができる。まあ、1ステップ刻みの微調整をすることはないが、高音質を謳うプリアンプはヴォリュームノブのステップ数が細かいのが通例なので、よりハイエンドな上位機種であれば納得です。V590と本体のサイズ、形状が大きく異なるが重量もUS4+がかなり重たく感じる。V590よりもかなり高価でデジタル部を排除した上に重量もあるとなると、それなりの物量を投じて作り上げた逸品感が伝わってくる。本格的なデモ試聴前に音出しした時は部屋の空気感が変わるような感覚に見舞われ、このプリアンプただ者ではないと感じて、ついつい雑感ブログでつぶやいてしまったが(笑)、録音ファイル比較ではどのような結果が出たか。

比較試聴前に、US4+を通してリアルタイムでレコードを聴いた時の印象がとてもよかった。これがハイエンドの音か!と思わせるような柔らかな高域。ハイハットの耳当たりが良くうるさく感じない。音と音の間の静寂にも響きがあるような演出?脚色?こんな気持ち良い音を出してくれるプリアンプって素敵やん!率直に感じたファーストインプレッションでした。では録音ファイルはどうか?ファーストインプレ通りの音が録音ファイルに反映されてるか否か、、、。ただし、レコードのデジタル化、音質調整、リマスターを行う上で、プリの脚色が邪魔になる時がある。過去に経験しておりその結果MODEL1をプリアンプとした経緯があるので、今回も同じ理由で結論つけるか?とおもいきや、今回は良い方向に転んだようだ。

比較試聴の結果、基本性能や使用感はV590同様パーフェクト。録音ファイルはカートリッジの特徴がにわかに引っ込みUS4+の音が前に出る印象。特にそれを感じたのはA:Steely Dan、B:国分友里恵、E:Scritti Polittiだ。細かな表現をするならば、スネアドラムの響き、リバーブが強くなったような感じでUS4+の特徴が出てると感じた。原音からかけ離れた音ではなく、原音のメリハリがにわかに上がった感じ?嫌味のない抑揚が加わった?音の消え際、余韻が長い?文字で書くと原曲からめちゃ変わっとるやないか!というような印象を受けるかもしれないが、そこまで極端な変化ではなく、絶妙なさじ加減でコントロールされてるような響きが心地よかった。これら3曲についてはリマスターまで行ってみたが、脚色が仕上がりの邪魔になるようなことはなかった。MODEL1を使って仕上げたものとUS4+を使って仕上げたもの、微妙な違い、かなりハイレベルな比較になるが、私なら後者を選ぶ。US4+の質感を選んでしまうと思う。MODEL1の音がぎらぎらしてると思うほどUS4+の高域の質感が良いんです。けっしてMODEL1の音が悪いということではない。高尚な比較という言葉があるかどうだか知らないが、まさに高い次元の比較の結果US4+が良かったということ。録音ファイルでこの差が出るのだから、そりゃリアルタイムで聴くと前述通りハイエンドの音か!につながるのである。US4+はヘッドフォンアンプとして大変優れている点はネット情報で見ていただきたいが、プリアンプとしても基本性能や音楽表現に大変優れている製品だということをこのページで伝えたい。

短くシンプルに書いてみました。両機とも基本性能は申し分ない。使用感もとても良い。V590はありのままの音を表現:モニター的、US4+はハイエンドな音を演出:オーディオ的。レコードデジタルラボで使うの?って訊かれたらお金があればUS4+を買う。そしてジャンルによって、使う針によってMODEL1と使い分けると答えます。ではV590はどうよ?って訊かれたら、MODEL1持っていない想定で、MODEL1とV590どちらか一つ買ってやるから選べと言われれば、V590を買ってもらいMODEL1を自分で買う。MODEL1とV590どちらを買うかと訊かれればMODEL1を買う。ドイツメイドのniimbusとViolectric大変すばらしい機器をまじめに作ってるメーカーということがわかりました。同時にUKメイドのMODEL1の良さも改めて感じることができました。今後もレコードのデジタル化に特化した比較試聴&レビューしていきます^^。