さて、前回はScritti Polittiの高音質アーカイブについてご紹介しました。80年代を代表するアーティストの高音質LPということで、24bit/192khzハイレゾ音源で録音、緻密なノイズ処理、マスタリングのプロセスを経て、最高のアーカイブ音源が完成しました。自宅や車、当ラボオフィスで楽しんでおります。
彼らの作品でも85年リリースCupid & Psyche 85は私にとって想い出深い作品ということは前回お話しましたが、次回12インチシングルとLPを比較する旨をお伝えしました。早速LPと12インチ引っ張り出して比較してみました。
今回比較した曲はAbsolute/Wood Beez/Hypnotizeの3曲です。LPと12インチで音質の違いはどんな感じ？もちろん音量を合わせた状態で聴き比べました。
まずはAbsolute:個人的にはLPのほうが好きです。12インチは音圧やメリハリがあるのですが、ぎらぎら感が半端ない！曲調がデジタルシンセメインのきらきら感があるので、それをストレートに表現した12インチは良い音なんだろうと理解しますが、、、、個人的にはうるさく感じてしまった。その反面Lpは落ち着きがあって適度にきらびやかで音圧もまとまってる感じが好みでした。でも、、、これ、パソコンに録音すると12インチのほうが良かったりする場合があるから難しい（笑）。リマスタリングで大きく雰囲気を変えることもできるので、次回リマスター後の音源比較をしてみようと思います。ちなみに当方所有してるのがUK盤12インチです。他国盤は持ってないので12インチシングル同士の比較はしておりません。
続いてWood Beez:たぶん、おそらく、Scritti Polittiの曲の中で一番好きな曲かも！これは圧倒的に12インチシングルが高音質。低音のパワーが半端ない！かといって他の帯域がスポイルされることなく、バランスよくほど良い押し出し感でみぞおちワクワクさせてくれます。音の構成はシンプルですがフレーズと音色のマッチングが絶妙で各楽器が主張しすぎずナイスバランス！
LPはといいますと、Absolute同様落ち着いた感じで聴かせてくれますが、LPの音もかなり良いです。タイトでカッチリしっかりまとまった演奏が心地よいです。しかしドラムの音がすさまじい。スネヤドラムの音は時々エコー処理が違うんですよね。ゲート使ったりリバープの効き方が変化したり。かなり凝ってますね。このような音の変化がエンジニアの心をくすぐるって当時のラジオで誰か言ってたな。でも、、、これ、パソコンに録音するとLPのほうが良かったりする場合があるから難しい（笑）。Wood Beezの場合12インチシングルの低域の処理が意外と難しいかも。。。これもリマスタリング後の音源比較してみたいと思います。
ちなみに日本盤LPのWood Beezは少しマスタリングの感じが違います。ついでにB面1曲目のPerfect Way、これも日本盤LPはマスタリング処理が全然違います。もはや別ヴァージョンといっても良いくらいEQの処理が違います。UK盤、US盤、カナダ盤、他多数の国でLP発売されてますが、Perfect Wayのヴァージョンは2種類存在します。どれがどれで、、、というのは割愛しますが、日本盤に収録のヴァージョンはすんげー音が落ち着いてます。
さて話を元に、Wood Beez12インチシングルの話に戻します。ちなみに所有してるのはUKオリジナル盤とヴァージンロゴラベル仕様（ジャケ外周ゴールド仕様盤です）。他いくつかありますがこの2つが音質が良い盤です。個人的には後者が好きです。
続いてHypnotize:たぶん、おそらく、Scritti Polittiの曲の中で一番複雑な音作り？1983年にこんな緻密な曲、、、アレンジがすげー複雑です！これ、LPと12インチシングル、まだ比較してなくて（笑）。後編にてご紹介しましょう！これもいろいろヴァージョンあって、確か日本盤LPと海外盤LPではエコーの感じとか微妙に違うはず！後編で明らかに＾＾乞うご期待！
