2024年最後のニュースコーナーです。今回新譜(と言っても6月リリース)作品のレコードとCDを購入し当最新システムで比較試聴してみた。更にレコードをハイレゾ化しCDと比較試聴してみた。比較レビュー前に作品紹介。
French electronic dance band:Justice最新アルバムHyperdramaである。大好きなアーティストなので、限定クリアヴァイナル仕様と通常ヴァイナル仕様と日本盤CDを購入した。
ディスコイベントでオンエアするため、デジタル化用に通常仕様のレコードを購入したのだが、あまりにも音が良かったので、最新作品のCD音源(音圧など)調査もかねて日本盤CDも購入した。そうなればまずやるべきことはリアルタイムレコード再生音とCD音源の音質比較。そして何よりレコードをデジタル化したハイレゾ音源とCD音源の比較が最も興味をそそるところである。
何しろ最先端を行くフレンチエレクトロデュオの最新音源がどのような状態でレコードとCDに納められているか、今どきの音楽ソースの調査もかねてレビューしたいと思う。
まずレコードを聴くが、使用する針はAudio-technicaのMCカートリッジAT-ART20だ。切れ味抜群のハイエンドカートリッジである、対象曲はA面2曲目のGeneratorである。ダンスミュージック、ことディスコにおける各ジャンルの要素が多く盛り込まれた傑作と個人的に思う良曲だ。
早速針を置いてみる!豊潤な低域が地を這いジュリアナ東京をイメージするハードコアテクノ(通称ジュリテク)を彷彿とさせるシンセと小気味よいハイハット、微妙にずれたソウルファンク定番の生々しいハンドクラップが左右スピーカーの外側から聴こえてくる!これはやばいです(笑)。左右の音の広がり重視の当方にはドストライクのサウンドである。超ワイドな音の広がりと極限まで沈み込む低域、レコードもここまでの音を出すようになったか!と、思わず感嘆してしまうほどだ。実に気持ちが良い。
この低域の感じ、コチラのDisc 1 B面3曲目収録The Expertの低域の沈み込み以来の衝撃である。
ちなみにリンク先You Tube再生で当該低域の沈み込みは恐らく体感できないと思うが、この音声やたら高音質だな(笑)。余談だがYelloのコンピレーションアルバムや再発盤は軒並み音質が良いのでお勧めである。もちろんオリジナルもいわずもがな^^!である。話を戻そう。
続いてCD。リッピングしたファイル(16bit / 44.1kHz wav)を再生するが、最新CDの音圧はいかに?痛々しいほど音圧を上げているのかと思いきや、適切な音圧でまとまっているではないかー!めちゃくちゃいい音です!さすが最新CD!フランスを代表するアーティストJusticeともなれば安心して聴くことができる。これは良質なCDである。
波形を見ると破綻しておらず音圧も高すぎず低すぎず大変良好な波形である。さすがですね!で、リアルタイムレコードリスニングの音とCDの音の比較結果ですが、いずれ劣らぬ高音質ではあるが、、、。しかし左右の広がりと音の重なりにおいての立体感が圧倒的にレコードが勝っている。
平均的に音が前に出るCD音源は一聴するととても良く聴こえるが、やはりレコード再生音と比べてしまうと、若干薄っぺらく感じてしまい音の輪郭もわずかに滲んでいるような印象を受ける。ハイハットのシルキーな響きが耳と身体にしみわたる感覚や、ふくよかな低域と左右に広がる音に包まれる感覚など、レコードでしか味わえない良さがあると感じた次第だ。最新アナログレコードJustice Hyperdrama恐るべし!これはお勧めですね。やはりレコードって良いですね^^。
結論としてレコードの圧勝であるが、Justice最新CDも相当音質が良い!しかるべきシステムで再生するレコードと比較しなければという条件付きだが、、、。でもね、CD音源の良いところもあるんです^^。音量絞った時はCDの方が印象が良いかな^^。
ということで、レコードのリアルタイム再生の勝利となったわけだが、続いて2024年リリースの新譜レコードをデジタル化(ハイレゾ化)したものと、最新CD音源を比較してみようじゃないか!
レコードの再現性をデジタル化に継承できれば、CDを凌駕する音源となることはコチラで実証済みだが、2024年リリースのものはどのような結果が出るか。非常に楽しみである。
先月アウトボード一新!既にレコードのデジタル化で運用中のWesAudio ngTubeEQを通して24bit / 192kHzで録音。コチラと同等の緻密なノイズ除去後、複数のプラグインと最新のプラグインでマスタリングしたファイルを作成。
波形はハイレゾ音源の方が僅かに密度が濃いように思うが、CD音源とほぼ同音量となるよう作成した。録音する際ngTubeEqの設定はフラットで、各プラグインの設定も音圧に関係する箇所以外はフラットとした。CD音源と違う点はサンプリング周波数のみである。CD音源:16bit / 44.1kHzに対しレコードをハイレゾ録音したハイレゾ音源:24bit / 192kHz
これら音源をマスタリングソフト上のプラグインADPTR AUDIO METRIC ABでAB比較を試みる。画像にある大きな円形のボタンをクリックするごとにAB音声が切り替わるのだが、スピーカー前のベストポジションで比較することで正しい試聴ができるというもの。いちいちパソコン前に移動してマウス操作したくない。そこで最近多用してるソフトAnyDeskを利用する。
細かな説明は各説明サイトに譲るが、簡単に言うとパソコン画面の操作をスマホ上で行えるという便利なソフト。設定も使い方も簡単なので重宝している。
早速AB比較してみた。毎度表現が同じで恐縮ですが、圧倒的にハイレゾ音源の方が高音質!見事にレコード音声の再現ができている。リアルタイムレコード再生音とCD再生音の比較試聴は、機器の操作が加わるため単純なAB比較はできないものの、先述の通りその違いは明らかだったが、ハイレゾ音源とCD音源の比較は手元のスマホで操作でき、まさにリアルタイム比較試聴できるので音質の違いは如実に表われた。マスタリングのおかげか音量絞ってもCDよりハイレゾ音源の方が良いと感じる。リアルタイムレコード再生音も良いのだが、そのレコードをハイレゾ化した音源はもっと良いのである。
レコードの再現性を保ちつつ、音圧をわずかに持ち上げ適切な音量で仕上げることで、レコードとCDの良いとこ取りができてしまうという結果となった。
新旧様々なレコードのデジタル化において、レコード再現性重視のシステムでデジタル化された音声は、今回の比較試聴でも高音質であることは確認できた。レコードとCDの良いとこ取りの高音質という結果に加え、音源ファイルがあれば、再生環境限定することなく様々なシチュエーションで活用できる点もアピールポイントだ。何をアピールするかって?
レコードを持っているが再生環境が無い。レコードブームに乗って簡易的レコードプレーヤー購入するも良い音が得られず。レコードを持っているがしかるべき装置を大金投じて導入することを躊躇している。DJをしているが所有音源の音質に不満足な方。CD音源コレクションの音質がいまいちの方。no music no lifeが当たり前の時代、生活に欠かせない音楽は様々なスタイルで楽しめますが、こと音源ファイルに関してより良い状態かつ高音質で楽しみたいなど、改めて音源見直しする機会が訪れたなら、是非レコードデジタルラボにご相談ください。世にレコードは溢れております^^。
ということで、2024年本日をもって仕事納めといたします。本年も多くの方にご利用いただきました。リピーターの方々、新規ご依頼の方々、大変お世話になりありがとうございます。今後も情熱をもって取り組んで参ります。2025年もレコードデジタルラボをよろしくお願いします。皆さま良いお年をお迎えください。