さて、今回は、第三世代リリース以降、世界を席巻するDS AUDIOの光カートリッジ専用フォノイコライザー、3モデルの比較試聴結果をまとめたいと思う。


当ラボでは2モデルの光カートリッジを使用しており、中でもMaster3は特にお気に入りで、当ラボ最高品質プレミアム特別コースで絶賛運用中である。このDS AUDIOの光カートリッジ、レコード音声の常識を覆していると専らの噂とか!各国そこら中で絶賛されているとか!私も絶賛する一人として光カートリッジの素晴らしさを少しでも伝えられたらと思う。
現在Master3以外に標準グレードDS003も高音質コースやDJコースで運用してるが、着々と依頼数が増えておりお客様からの評価が高く、今後ますます活躍すること間違いないとにらんでいる。DJコースでもDS003の使用はお勧めだ。プレミアム特別コース仕様のDJ音源は更にお勧めである。
リリース年代関係なく抑揚の効いたダンスミュージックに光カートリッジは適していると、自身が出演するディスコイベントフロアで実証済みである。高音質が故にオーディエンスから気持ちよく踊れるとの評価もあって、今後もダンスミュージック光カートリッジ録音推し活を進めたいと思う。レコードデジタルラボの宣伝はこのくらいにして、早速本題へいってみよ!

2025年冬DS AUDIO第三世代光カートリッジデモ試聴で衝撃を受け、同年春のデモ試聴で第三世代光カートリッジの素晴らしさを確信し、同年梅雨に光カートリッジ専用フォノイコライザーDS W3と光カートリッジMaster3の導入に至った。加えて同年末に光カートリッジDS003導入。2026年3月の時点現在進行形で光カートリッジの素晴らしさを体感しているさなか、さらに上の音を覗いてみたくなった。
DS AUDIO製の光カートリッジフォノイコライザー(以下光フォノイコとする)以外に複数のメーカーから光フォノイコが出ており、その中で注目したのがSOULNOTE E-3だ。SOULNOTEフォノイコライザーと言えば、MCやMMカートリッジに加え光カートリッジが使える現行モデルE-1 Ver.2とE-2 Ver.2がラインナップされているが、私の興味はE-3のみ!光カートリッジしか使えないフォノイコライザーなのに超ド級の価格!どんだけ一点集中なんだよ!って思わず突っ込んだが、開発者も相当光カートリッジに惚れ込んでいることの表われだろうということで、ますます興味が湧きリビドーを、いや、欲望を抑えられなくなった^^。
私も光カートリッジにほれ込んだ一人として、可能な範囲でより上のサウンドを手に入れたい想いが日々募り、DS AUDIO製光フォノイコMaster3とSOULNOTE製光フォノイコE-3の貸し出しを依頼した。それぞれタイミングは異なるが、トータル1ヶ月の間に自宅デモが実現できた。リアルタイム再生音の試聴はもちろんだが、当ラボ独自の録音ファイル比較試聴及び波形確認を最重要とし、早速試聴結果を紹介する。

まずSOULNOTE E-3ブラック仕様。40キロ超えはさすがにきついが、見た目も質感も良くハイエンド感が溢れている。早速LPをリアルタイムで聴いてみた。これは相当音が良い!が、ファーストインプレッションだ。高域の抜けおよび中高域の分離の良さはDS W3よりも勝っていると感じた。低域の量感、押出しはDS W3の方が好みである。DS W3の低域押出し感や中高域のまとまり感(解像度が高過ぎない程度)がダンスミュージック向きとの理由でDS W3も負けていないとしたいが、やはりE-3の明瞭さは一枚上手である。全帯域の解像度が高く非常に気持ちよく音楽が楽しめる点がポイントだ。現時点のトータル的な評価はE-3に軍配が上がる!しかし個人的な好みはDS W3である^^。

続いて録音ファイルで比較。LPレコードから1曲チョイスし、各光フォノイコ介して録音したファイルを比較試聴。LPリアルタイム試聴時の印象とほぼ同じだが、リアルタイムでミュート、ソロで比較すると違いは明らかである。ブラインドテストでもすぐにわかるほどの違いが出た。E-3はすっきりで、DS W3はどっしり、どちらが良いとは言えないが、きれいな音で楽しむならE-3、迫力を求めるならDS W3といったところでしょうか。LP再生に限った話、、、、、。
続いて12インチシングルを聴いてみた。ここでまた印象や評価が思わぬ方向へ(笑)。今更だが使用光カートリッジはMaster3である。まずDS W3で聴いてみる。いつもの素晴らしい抑揚感!安定のDS W3最高!続いてE-3で聴いてみる。むむむ、なんやこれ?音量合わせているが若干、、いや若干どころではない!音量が大きく感じる。レベルメーターピークは同じだが、明らかに音量が大きい。というよりも音圧が上がってる感じ。エフェクターのコンプをかけたような感じ?なので、とても迫力ある音だ。このリアルタイム試聴ではE-3の音質に圧倒された。
高解像度かつ押出強めの音圧感は正にダンスミュージック向けのそれである。これはやばいことになった!というのがファーストインプレッション。実は、やばいというのは二つの意味があって、一つは聴いたが最後後戻りできない(機材が高価なので)。もう一つは録音ファイル波形への懸念。
まず、前者の後戻りできないについては、音が良すぎて購入せざるを得ない状況になった場合、資金的な悩みが発生する点がやばい^^。続いて後者の録音ファイル波形への懸念については、過去にこのような経験があって、音量上げるに伴い勝手にコンプが利いてしまう挙動を思い出した点。もしこれと同じ挙動なら、せっかく良い音を出す光フォノイコであっても、レコード本来の波形ではなく初めから抑圧された波形となり、使い物にならない可能性があることへの懸念。さて、早速波形を見てみよう!

杞憂であった!とはならなかった、、、。KORGのNu-1程ではないが、やはりE-3の音には何らかの抑圧が効いてる。LPの波形を確認するも問題ないが、カッティングレベルの高い12インチシングル盤の録音ファイルのみ、このような抑圧された波形となるようだ。上(E-3録音)と下(DS W3録音)の波形を目視で比較すると違いは歴然である。DS W3の波形はいわゆるダイナミックレンジが広く抑揚があってレコード音声の再現度の高さを表している。E-3の波形は音量が大きくなる箇所ピークと小さくなる箇所ボトムの差が狭い、いわゆるダイナミックレンジが狭い状態である。まるでコンプレッサーをかけた時のような波形である。
コチラのサイトの画像がわかりやすい。左の青い波形はコンプがかかっていない状態、右のピンク波形はコンプがかかった状態。つまり左がDS W3の波形で本来のレコード音声の波形、右がE-3の波形でコンプがかかった脚色のある波形となる。
レコードのデジタルアーカイブ及びマスタリング業務では、初めに録音する音声で十分なヘッドルームと(控え目な録音レベル)ダイナミックレンジの確保を必要としている。レコードの再現性重視のマスタリングを行うための必須条件であるため、初めの録音で無作為にコンプがかかるようでは後工程に悪影響及ぼしかねない。
懸念は的中した。複数の12インチシングル盤をE-3で録音し波形を確認したが全てコンプがかかり抑圧されたファイルが出来上がった。しつこいが、12インチシングルのリアルタイムレコード試聴は最高の音質である。が故に、この結果は非常に残念である。

試しにE-3とDS W3で録音した某曲、それぞれのファイルをプラグインソフトでリマスターしてみた。EQ調整せずシンプルにマキシマイザーで音量音圧を上げてみた。いずれのファイルもレベルメーターのピークは同じだが、スピーカーから出てくる音量音圧はE-3リマスター音源が圧倒的に高い。波形でみればもう少しピークを上げれるように思うが、元々コンプが効いてダイナミックレンジが狭いため、これ以上の音圧UPは耳にも身体にも良くない痛々しい音になること必至である。
そもそも現段階でレコードの音から遠ざかってるように思えるので、やはりE-3はレコードのデジタル化には向かないと判断せざるを得ない。百歩譲って、、、曲によって抑圧がより良い結果となるかもしれない期待はあるが、そもそも音圧の高い12インチシングルのみ無作為にコンプが効く仕様は無理がある。
この抑圧がかかる事象について開発者様と営業担当者様に問い合わせてみたところ、出音の音質調整はすべて耳で行っておりデータ確認はしていないため、正しい回答はできないとのこと。おそらく本機の出力ゲイン設定が高いため、カッティングレベルの高いレコード音声は抑圧がかかるのではないかとのこと。そもそもLP再生メインで12インチシングル再生を想定してない点が今回の事象に至ったのではないかということで、開発者より直接お電話にて懇切丁寧に説明いただき話はまとまった。本機のゲイン設定を下げれば問題解決するであろうとの回答もいただいたが、まさか特別仕様のお品を用意していただくことも現実的ではないので、E-3の導入は見送ることにした。
光フォノイコSOULNOTE E-3とDS AUDIO DS W3の比較結果は思わぬ展開となった。リアルタイムレコードリスニングにおいては間違いなくE-3に優位性があり、12インチシングル再生音の迫力には圧倒され、この音が欲しいと心から思ったのもつかの間、録音波形を見た瞬間E-3へのdesireは泡沫の如く消え失せた。

SOULNOTE E-3の話題で大きく紙幅を割いてしまったが、続いてDS AUDIO Master3光フォノイコの登場だ。SOULNOTE E-3の後にデモを行ったため、期待はさらに膨らんでいた。そりゃぁ~光フォノイコDS W3の倍の価格設定ですから、どんな音が出るのかほとんど怖いもの見たさメインとなるが、気に入った時のことを考えると、、、恐怖を禁じ得ない。。。
早速リアルタイムレコード試聴から!光フォノイコDS W3と比較するとMaster3の低域量感UPがまず第一に感じられ、中高域の明瞭度が僅かにUPしたように感じる。SOULNOTE E-3ほど解像度は高くないが低域の量感はMaster3が勝っており、丁度よいピラミッドバランスというのが第一印象である。DS W3 VS E-3 VS Master3高次元の戦いだ(比較)、、、。リアルタイムリスニングでは、E-3のクリアーな音に惹かれるが、Master3の低域と丁度よいピラミッドバランスも好みで、DS W3のまとまり感も捨てがたい。一番好みは?と訊かれればやっぱりDS W3かな!低域が少々暴れている感があって高解像度過ぎない中高域のまとまり感がダンスミュージック向きと思うのだが。
続いて録音ファイルで比較。LPと12インチシングル共に安心のDS AUDIO波形。抑圧もなくDS W3とMaster3はほぼ同じ形状。早速音質比較!録音ファイルを並べてミュートとソロでリアルタイム比較。Master3のファイル音声はリアルタイムレコード再生音よりも低域の量感は抑え目だが、トータル的な印象は変わらない。DS W3音源と比べてわずかに解像度UPと低域の量感UP。リアルタイムレコード試聴の時点でほぼ結論は出ていたが、録音ファイル比較最中早々に結論は出た。光フォノイコMaster3の導入見送り。

光フォノイコDS W3使用続行決定とする
リアルタイムレコード試聴およびレコードデジタル化ファイル作成含め、私の得意分野であるダンスミュージックの音が一番しっくりくるのがDS W3であったこと。12インチシングル、LP共に波形が適切であったこと。そして他2モデルと比較しコスパ最強であることが理由である。
本来なら機器の価格差に比例する形で音質の優位性を感じ取ることができるが、このクラスの製品は基本性能が優れてる為、リスニングシステムによっては大きな差は感じられないかもしれない。特にMaster3とE-3については、パワーアンプ並みの物量が投じられており、より大型スピーカーをドライブする環境下でリアルタイム再生が主たる目的であり(DS W3も然り)、レコードのデジタル化を得意する製品では無い。
今回の比較で明らかとなったのは、ハイエンドクラスの光フォノイコを使用することで録音ファイルの音質底上げは十分果たせるが音質差は僅かであること。光カートリッジにおいては、DS003とMaster3の音質差は間違いなくあるのだが、Master3のトレース能力が大きくすぐれている点以外、録音ファイル比較において音質差は僅かであった。これも光カートリッジの基本性能及び音質が高次元で優れているためだと理解する。
そんな高次元の光カートリッジ製品を用いて今後も更なる高音質化を目指したいと思う
お気に入りの光カートリッジ、更なる高みを目指したいが故のハイエンド機2モデルのデモ依頼。学んだことは多かったが、SOULNOTE E-3を試聴した時点で購入意欲が芽生え12インチシングル試聴でブーストアップ!しかし、、、録音ファイル波形確認で愕然。この落差は大きかった(笑)。SOULNOTE E-3導入は当ラボのブランディンクにも一役買うことになるので色々妄想は膨らんだが、リアルタイム試聴の勢いで導入せずに済んだことは大きい。やはり新しい機器の導入は録音ファイル確認が最重要であると改めて思ったそんなデモ試聴でした^^。
