久しぶりのニュースコーナーである^^。デジタル化業務最優先の為更新滞りご容赦。さて、今回は少し趣を変えて自身が作成するDJ Nonstop Mixについて紹介したいと思う。
1988年~現在に至るまでNonstop mixは数多く制作してきたが、レコードのリアルタイムミックスからCD Mixに移行し、2000年代に入ってからはデジタルデータを使用したMix作品制作が主で、2017年頃まで定期的にリリースしてきた。制作過程でレコードデジタルラボ設立に繋がるいかに高音質でレコードをデジタル化するか!を追求することに至るが、これについてはいずれ詳しく書く予定だ。今回は先日完成したNonstop Mix作品の紹介にとどめるとしよう^^。ちなみにわたくしオフィシャルNonstop mix作品制作は約8年ぶりである^^。
2000年以降当方が制作するNonstop Mixは主に2種類あり、パソコン上に音源並べて編集するPc Mixと、DJコントローラーを使ってリアルタイムでミックスしたものを録音するLive Mixがある。今回後者のLive Mix作品の紹介になる。しかし、、、老化に伴う記憶力の低下や瞬発力の衰えに伴い、一発録音で完璧な作品を作ることは無理なので(笑)、文明の利器を最大限活用した仕込みなど、作成プロセスと合わせて完成した作品を紹介したいと思う。

まず、使用したコントローラーはDENON DJ / PRIME 4で既にディスコンモデルであるが、タイムストレッチ(音程変えずにテンポ変化)(以下ストレッチ)に伴う音質劣化が少なく、Stem機能(曲をドラム、歌、ベースなど各パートに分解)(以下stem)が使えるため、選曲やミックスの自由度が格段に向上する。今回(後述するが)Live Mix Vol.39(以下39)はストレッチとStemを最大限利用し、違和感無しのスムーズな曲繋ぎを展開することができた。
これ以降専門用語を多用するかもしれないが、なるべくわかりやすく解説したいと思う^^。
今回39制作において自分なりのルールを設けた。
※1:曲のリリース年代の幅を5年
※2:選曲構成上同じジャンルの括りは4曲まで
※3:極端なジャンル切り替えは避ける
※4:次曲への展開でミックス時に不協和音となる選曲はしない
※5:基本的にフロアでお客様を踊らせる選曲を意識するがヒット曲少なめの構成とする
あくまでも私個人が好むNonstop Mix作品のルールであって、こうあるべきだ!的な主張ではない念のため^^。
以下※1~5まで簡単に解説しよう。
※1:曲のリリース年代の幅を5年というのは、なるべく近い音で構成する意図がある。ダンスミュージックも時代と共に音作りは変化するため、ずばり今回の39は1981年~1985年の間にリリースされた曲のみ使用した。
※2:選曲構成上同じジャンルの括りは4曲までは、同ジャンルでCD約80分構成するのは面白みに欠けると判断。微妙に、わずかに、変化させる展開でスムーズさを意識した。
※3:極端なジャンル切り替えは避けるは、フロアの雰囲気を見て大きくジャンルをスイッチする現場スタイルではなく、※2同様スムーズさを意識した。
※4:次曲への展開でミックス時に不協和音となる選曲はしないは、DJミックスにおいて曲と曲の繋がる箇所、いわゆるミックス箇所が不協和音になることが多々あるのが実情だ。個人的に気持ち悪くなるのは避けたいので、音程(キー)が極端に遠い曲はチョイスしない。遠くとも違和感が無ければ展開の切り替え時に積極採用する。
※5:基本的にフロアでお客様を踊らせる選曲を意識するがヒット曲少なめの構成とするは、イベント等で盛り上げ必須の場合ヒット曲オンリーの選曲は必要だが、今回の39ではメジャーヒット以外をクローズアップさせるためにヒット曲を適所に配置した。それでいてヒット曲を違和感なくミックス展開してる点は見せ(聴かせ)どころでもある^^。

そんな※1~5までルールを設けて作成した39のCDラベルデザインだ。英語で体裁よくいろいろ書いてるが(笑)、すべての曲はDS AUDIOのMaster3針でレコードをハイレゾ録音し、IzotopeのOzone12でマスタリングした24bit / 96kHzハイレゾ音源を使用し、DENON Prime 4でプレイしたという意味である。下段は収録曲の展開(ジャンル)を記している。とりあえずハイレゾ云々の文言は現代のハイスペック音源を使用したMix作品アピールだ^^。
続いてミックスの術や文明の利器を最大限活用した仕込み、一発録音ではないLive Mixである点も解説していこう。選曲と音源の紹介までもう少しお待ちください^^。
まず文明の利器を最大限活用した仕込みとは?これは生演奏曲のビートのズレ(ビートがゆれる)をあらかじめ補正することを指している。DAWソフトableton live 12のwarp機能を使ってビートのズレを細かく修正することで、Nonstop Mixのビートのズレを最小限に抑えることができる。70年代80年代初期の曲は生演奏物が多く、ビートがジャストではないものも多い。このグルーヴ感やミックスの多少のずれが良いという意見もあるが、当方はきれいにミックスしたいタイプなので、極端にビートがゆれる曲は基本的に使わない。良い曲なんだけどゆれるから使わない曲結構あるので、今回複数の曲をlive 12で仕込んだ。とはいえ、完全なジャストビートにするとグルーヴ感が損なわれる場合があるので、やり過ぎない程度にとどめた。ちなみにwarp機能のみ使用目的ならableton live 12 Liteという一番安価なグレードで十分(グレードによるwarp機能の違いはない)である。
そしてもう一つライブミックスにおいて最大の文明の利器はStemである。DJ Mixにおいて最大のご法度はミックスする曲同士の歌が重なることと言っても過言ではない。ミックスのズレは多少あってもグルーブ感ということでむしろ良いとされる場合もあるが歌の重なりは最悪である。しかしStemがあればボタン一つで歌が消え演奏のみとなる!さらに、ベース、ドラム、その他の3つのボタンでそれぞれ、または同時に音を消すことができる!これにより繋ぎの幅やリアルタイムギミックの幅も大きく広がる。10数年前から一部のDJコントローラーでは機能していたが、近年ようやく一般化し利用するDJも増えている。当方もこちら導入時より活用しており、違和感ないミックスに大いに貢献している!もちろん今回の39でも一部繋ぎの箇所使用している。特にベース音のオンオフに利用した。
選曲リストと音源紹介まであと少し、、、。仕込みやstemの使用できれいなミックスへの道はかなり近くなったが、老化に伴う記憶力の低下や瞬発力の衰えに伴い、Live Mix開始と共に録音するもミスが多発(笑)、、、。リアルイベントの現場であれば少々のズレやミスは即カバーできるが、録音となれば記録に残るものなので、できればベストテイクを残したい。よって、、、ここだけの話、、、Live Mixとしているが、数か所後からベストテイクに差し替えてます(;’∀’)。ミックス箇所一発採用は半分以上だが、ミスった箇所は積極的に何度も繰り返しトライしベストテイクを切り張りする手法で仕上げている。これも現代ならでは^^。良い作品を残したいがための術である^^。
前置きが長くなったが、紹介します。
つぎはぎLive Mix Vol.39
1. We Can Still Be Friends – Nick Straker
2. I’m Out To Catch – Leon Haywood
3. Just Like A Doorknob – Touché
4. Turn The Music On – Orlando Johnson And Trance
5. Cheating – Prestige
6. Don’t Stop My Love – Passion
7. I Shoulda Loved Ya – Narada Michael Walden
8. Walking Into Sunshine – Central Line
9. Treat Her Like A Lady – The Temptations
10. Steppin’ Out On The Groove – Tony Jackson
11. Here I Am – Dynasty
12. Tonight We Love – Rufus
13. Sucker For Love (I’m A Sucker For Your Love) – B-biz-R
14. Young Girls – Collage
15. I Can’t Win For Losing – Khemistry
16. Single Handed – Haywoode
17. That’s The Way I Like It – Distinction
18. Friends – Shalamar
19. Lady (You Bring Me Up) – Commodores
20. Giving It Up For Love – David Emmanuel
21. Shake Your Body – Sunfire
22. Sky’s The Limit – The Walkers
23. Let’s Rockett – Starbox
24. Say Yeah – Oattes Van Schaik Formerly The Limit
25. I Can Make It (Good For You) – T. J. Johnson Band
26. Love Fantasy – Contrast
27. Wanna Be Startin’ Somethin’ – Michael Jackson
以上長い解説となったが音質についても触れておこう。先述の通り今回Live Mix Vol.39で使用した楽曲全てレコードからハイレゾ化したものである。LPと12インチシングルからチョイスしてるが、18,21,24,26,27はLPから録音している。
当ニュースコーナーではLPと12インチシングルの音質比較を取り上げているが、実際のミックス作品にLP音源が混ざっていても全く違和感はない!ちなみにLive 12 warp機能で仕込んだ曲は、5、7、8、17、20、である。ビートのズレを無理やり補正するため僅かな音質劣化は避けられないが、DS AudioのMaster3で録音することで音質の底上げが図れているため大きな問題はない。
また、DENON DJコントローラー最高峰のPrime 4であってもタイムストレッチ機能を使えば音質は僅かに劣化するが、これも元録Master3の恩恵を受けているためミックス全体の音質は十分であると思う。音圧は高過ぎず低すぎず、高域は抑え目、低域重視のピラミッドバランスの音質で整えている。
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